ラマーズ法 マスターして自然な出産を!【正看護師が解説】

妊婦

陣痛、出産はこわくて痛い!が当たり前だと思っていませんか?

「ヒッヒッフー」で有名な出産時の呼吸法、ラマーズ法。

このラマーズ法を始めとする、呼吸に意識を向ける方法は、痛みや緊張から硬くなった体をリラックスさせ、自然な出産へ導いてくれます。

筆者も呼吸法のおかげで、痛みの感じない幸福感がある出産を経験した一人です。

ぜひ、出産までにラマーズ法の呼吸をマスターして、素敵な出産にしましょう!

ラマーズ法とは?

ラマーズ法の呼吸法は「ヒッヒッフー」だけではありません。

陣痛の間隔や子宮口の開き具合によって、呼吸のリズムを変えていきます。

準備期(子宮口0~3cm

この時期の陣痛はそれほど強くありません。自由に動いて過ごしましょう。

陣痛が始まったら立ち止まります。壁や手すりにつかまると安全でしょう。3秒くらいかけて鼻からゆっくり息を吸い、また3秒くらいかけて口から吐きます。

この時、息を吸うことではなく、吐くことに意識をおきましょう。息を吐き出しながら、体の力が抜けていく感覚をしっかり味わいましょう。

進行期(子宮口47cm

陣痛の強さが1つ上がってきた感覚になります。

ますます呼吸することに集中しましょう。

陣痛が来たと感じたら、鼻から息を吸い、口から短く「ヒッ」、長めに「フー」と息を吐きます。

この時、フーと息を吐くことに集中し、しっかり吐ききります。

そうすることで、自然に息を吸い込めるようになります。

息を吸うことより、吐くことに意識を向けることがポイントです!

極期(子宮口89cm

陣痛の波がどんどん押し寄せてくる時期です。

痛いと感じてしまうと、体が緊張し子宮口も開かなくなります。

リラックスすることで、子宮口の筋肉も弛緩し開いていきます。

リラックスを作るためには、息を吐くことです。

陣痛の波に合わせ、「ヒッヒッ」と短く2回吐き、「フー」と深く長く吐きます。

この時点で少しいきみたくなる人もいます。そんな時は「フー」と吐いた後に、「ウン」と小さく声を出し、いきみを逃しましょう。

娩出期(子宮口10cm・全開大)

いよいよ赤ちゃんとのご対面まであともう少しです。

視線を1点にします。助産師さんや取り上げてくれる人の顔を見ながら、変わらず呼吸に意識をおくとよいでしょう。

陣痛の波に合わせ2回深呼吸をし、3回目で息を止めます。

そして肛門からグッと便を出すような感覚で1~2秒いきみます。

いきむのを止めるよう指示が出たら、口をあけて「ハッハッハッ」または「フッフッフッ」と短く呼吸して、次の陣痛のタイミングを待ちます。

赤ちゃんの頭が出てきたら、いきむのは止めて「フーフー」と深めに息を吐くと、赤ちゃんはスッと出てきます。

4つの時期に合わせた方法をご説明しましたが、実際にできるかな?と不安に思った人もいるでしょう。筆者も1人目の出産の時はピンときませんでした。

でも大丈夫。助産師さんが状況に合わせた呼吸法をその都度教えてくれます。

出産前に何度かイメージトレーニングをするなど練習をしておくことで、指示されたことがわかりやすくなりますよ。

呼吸法は「こうでなければならない」ものはありません。本番に自然と出てくる呼吸法が一番です。難しく考えないで大丈夫ですよ。

ラマーズ法の発祥

もともとの発祥は、旧ソ連の医療チームが提唱した、精神予防性無痛分娩法です。

これを、フランスの産科医ラマーズ博士が改良し、痛みを和らげる分娩法として提唱しました。

日本では、1960年代から行われるようになり、多くの病院や助産院で採用されています。

ラマーズ法の効果

ラマーズ法は単なる呼吸法のことを指すのではありません。

ラマーズ法には他にも重要視していることがあります。

ラマーズ法の3つの効果を見ていきましょう。

出産のメカニズムを理解することで不安の軽減につながる

出産の流れや体の仕組みを事前に知っておくことで、必要以上に心配しなくてよくなります。

産院や自治体の母親学級などで勉強会が開かれますので、ぜひ参加しましょう。

筆者の体験では、陣痛中も助産師が現況を説明してくれました。事前の知識と統合されて、自分の置かれている状況を冷静に受け止めることができました。

現状を理解することは、不安を取り除き、ポジティブにとらえる力になることを経験できましたよ。

 呼吸法を行うことで、リラックスでき自然分娩につながる

出産で大切なことは、リラックスすることです。

陣痛を痛いもの、こわいものととらえてしまうと、体は無意識に緊張し、全身に力が入ってしまいます。結果、子宮も開きにくくなり、だらだらと陣痛が長引いたり弱くなったり、体力だけが奪われていきます。

そこで、弛緩法といって、緊張している状態から意識的に力を抜いて、リラックスする方法を妊娠中から練習し、体に覚えさせていくことがとても大切です。

このリラックスさせる方法が、呼吸法になります。

呼吸法の練習方法は後述しますね。

パートナーなどに立ち会ってもらうことで安心につながる

ラマーズ法では、パートナーも一緒に呼吸法を練習することを意識しています。出産時にパートナーが付き添うことで、妊婦の不安や緊張を和らげる目的があります。

事前の母親学級などで、パートナーも呼吸法を練習できますので一緒に参加してみてはいかかでしょうか。

筆者も陣痛時にパートナーが呼吸法を一緒にやってくれて、一緒に出産に立ち向かえた経験ができましたよ。

これら3点に対し、妊娠中から取り組むことで、自分自身の力で産むという意識が備わってきます。

そうすることで、いざ出産の時は、自分自身の本来の力が発揮され、「自分で産んだ」という自信や幸福感を得ることにつながります。

ラマーズ法の注意点

ラマーズ法を事前に知っていても、実際はパニックになり生かせなかったという先輩ママの経験もよく聞きますね。

では、どうすればラマーズ法を効果的に使えるのでしょう。見ていきましょう。

妊娠中から繰り返し練習をする

ただ呼吸法を行うだけではありません。

呼吸法を行うことで、体がリラックスしていく感覚を体で覚えておくことが大切です。

また、良い出産のイメージを持って、イメージトレーニングをすることが大切です。

本番当日に自然とリラックスした状態を作ることにつながります。

 ソフロロジー

まだラマーズ法よりは名は知られていませんが、新ラマーズ法として、ソフロロジーの手法を取り入れているところもあります。

これは、イメージトレーニングによって心身をリラックスさせ、出産を痛い・こわいものととらえるのではなく。赤ちゃんに会える嬉しいものとして意識を変える方法です。

筆者の経験では、妊娠中にできるヨガを行うことで、ソフロロジーを行っていました。

人は痛みを感じると、体が緊張し筋肉もこわばってしまいます。こうなると、子宮口は開きにくくなり難産につながります。

反対にリラックスしていると、筋肉は緩み、いきむことをしなくても赤ちゃんはゆっくりと産道をくぐり抜けて産まれてきます。

陣痛を痛みとして感じない方法は、リラックスできるかどうかです。

妊娠中の呼吸法の練習と良いイメージトレーニングはとても重要ですね!

無呼吸になることの危険性を知っておく

人は痛みを感じると、無意識に息を止めてしまいます。

体に力が入ってしまうからです。

そうなると、赤ちゃんに酸素が行きわたらず、赤ちゃんは苦しいとサインを出します。

陣痛時は、力を入れて痛みを我慢しようとしないことです。

陣痛にはピークがあり、終わりがあります。息を止めず吐くことに集中しましょう。

無呼吸は赤ちゃんを苦しめ、妊婦自身も酸素不足になり、次の陣痛に立ち向かえなくなります。

陣痛の波が来ているときこそ、呼吸です。これもイメージトレーニングをしましょうね。

ラマーズ法の練習方法

妊娠 妊婦

妊娠6~7ヶ月ころから、体調の良い時を選んで、繰り返し練習しましょう。

重複して言っていますが、呼吸法の基本は「吸う」ことより「吐く」こと。

吐くことに意識を集中させましょう。

  1. 楽な姿勢をとる:あぐらや横向きで寝てみたりいろいろな姿勢でやってみましょう。
  2. 目を少し開いて1点を見つめるようにし、上半身の力を抜く
  3. 鼻からゆっくり息を吸い、少しお腹がふくらむのを感じる
  4. 少し口を開けて、ゆっくりと長く息を吐き出す
  5. 息を吐ききったあとは、あまり意識せずに自然にまかせて短く息を吸う
  6. 3~5を繰り返す

ヨガのCDやリラックス効果のある音楽を聴きながら行うと、より効果的です。

呼吸法を行いながら、赤ちゃんに思いを馳せたり、酸素が行き届いて気持ちの良い感覚などをイメージしましょう。

陣痛は赤ちゃんが産まれてくるために必要な子宮の収縮です。

筆者は、陣痛を波乗りになった気分で波に乗る感覚をイメージしました。

また強い陣痛を感じる時は、吐くことに専念しつつ、頭の中ではチューリップの花びらが開花していく様をイメージして、子宮が開いていくことを想像していましたよ。

まとめ

ラマーズ法の呼吸法とソフロロジーについてもお話しました。どちらも呼吸に意識を向け、リラックスすることで陣痛を緩和させる方法です。

自分で産めた!という自信や、痛みとして感じない出産は産後の回復を早め、その後の育児も幸福感のほうが勝り、好循環していきます。

本番までパートナーや信頼のおける人と話し合いながら、自分らしい自分に合った、出産ができるといいですね。