妊婦がはちみつを食べても問題ない?注意点やおススメの食べ方は?【管理栄養士が解説】

1歳未満の乳児にはちみつを与えてはいけない!と聞いたことはありませんか?

これは、はちみつに含まれているボツリヌス芽胞によって乳児ボツリヌス症という1歳未満の乳児の特有の疾病を引き起こす危険性があるからです。

乳児にダメなら、妊婦が食べることで胎児にも悪影響が出るのでは…と心配になる妊婦さんも多いのではないでしょうか?

今回はそんな疑問を解決するために妊婦さんとはちみつの関係について解説していきます。

はちみつはどうゆう食べ物?妊娠中に食べても大丈夫?

はちみつ

妊娠中にはちみつを食べると、胎児に悪影響を与えるのでは…と心配になる妊婦さんもいると思いますが、妊婦さんがはちみつを食べても問題はありません。

むしろ、はちみつには妊娠中に必要な栄養素が豊富に含まれているためおススメしたい食材の一つなのです。

ここでは、はちみつの栄養と妊婦さんにうれしい効果について解説していきます。

はつみつのメリット

はちみつにはグルコース、フルクトース、マルトースといった複数の糖分のほかに、カルシウム、ビタミンB1、B2、葉酸などのビタミン類、鉄、パロチン、約22種類のアミノ酸、約27種類のミネラル、約80種類の酵素など豊富な栄養素が含まれています。

  • 低カロリー

上白糖が100gあたり384kcalであるのに対して、はちみつは294kcalと低カロリーです。

コーヒーや紅茶はもちろん、料理に使用する砂糖の代わりに使用することでカロリーを抑えることができます。

  • カルシウムが豊富

カルシウムは、歯や骨を形成するために必要な栄養素で、ママからお腹の赤ちゃんへ届けられるとても大切な栄養素です。

妊娠中は、胎児の骨や歯を作るために優先的にお腹の赤ちゃんへ栄養が運ばれます。

そのため、カルシウムが不足すると髪の毛がパサパサになったり、爪が割れやすくなったするので、不足しないように摂取することを心掛けましょう。

  • 葉酸が豊富

葉酸は妊娠初期に重要とされる水溶性ビタミンの一種で、二分脊椎症などの赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを低下させる効果を持つ、DNAの合成に関わる栄養素です。

  • 鉄分が豊富

鉄分には貧血を予防するはたらきのほか、免疫力を向上させる効果も期待できます。

妊娠中は血液が薄まった状態になるうえに、赤ちゃんの成長のために必要な鉄分を吸収するため、ママの血液中の鉄分が減り、貧血を起こしやすくなります。

鉄分不足による貧血が起こると、立ちくらみや頭痛などが起こるほか、出産時に陣痛が微弱になりお産が長引いてしまったり、産後の回復が遅くなったりします。

はちみつのデメリット

  • 食べ過ぎによる糖分過多

はちみつは砂糖と比較すると低カロリーですが、糖分です。

食べ過ぎると体重増加だけでなく妊娠糖尿病にもなるリスクが高まるため注意しましょう。

生後1歳未満の赤ちゃんには絶対ダメ!

ハチミツは栄養価もたかいため、妊婦さんをはじめとする大人にとっては健康や美容に効果的な食品ですが、赤ちゃんにとっては非常に危険な食品です。

それは、ハチミツに含まれているボツリヌス菌による『乳児ボツリヌス症』の危険性があるためです。

ボツリヌス菌は、全てのハチミツに含まれているというわけではありませんが、ボツリヌス菌は非常に毒素の強い菌です。

消化機能がしっかりとしている大人が食べても問題はありませんが、1歳未満の赤ちゃんは消化器官が未熟なうえ、腸内環境が整っていません。

そのため腸内で増殖したボツリヌス菌の毒素により『乳児ボツリヌス症』を発症してしまうのです。

乳児ボツリヌス症による死亡事故も…

乳児ボツリヌス症は、ほとんどの場合が適切な治療により治癒しますが、まれに亡くなることもあります。

近年でも、2017年3月に、生後6ヶ月の男児が市販のジュースのハチミツを入れて離乳食として与えられ、けいれんや呼吸不全などの症状で入院したのちに死亡するという事故が起きています。

ボツリヌス菌の毒性は非常に強く、加熱しても死滅しないため、口に入るものにはハチミツが含まれていないか、必ずチェックするようにしましょう。

はちみつを食べる時の注意点

  • 1日の目安量

日本人女性(20歳~40歳)の1日に必要な摂取カロリーは平均で約2000kcalです。

これに加えて、妊娠中には妊娠初期+50kcal、中期+250kcal、後期+450kcalを付加する必要があります。

世界保健機構(WHO)によると、糖類の摂取量は1日の総カロリーの5%未満がよいといわれていますので、1日25g~30gが目安量となります。

はちみつは小さじ1杯で約7gなので、小さじ4杯程度が適量です。

小さじ4杯と聞くと少ないように感じますが、はちみつの甘さは砂糖の3倍ですので、はちみつ小さじ1杯は砂糖の大さじ1杯とほぼ同じ甘さを出すことができるのです。

  • アレルギーに注意

はちみつにはアレルギーを起こす場合があります。

食べた後に発疹が出たり、体調がおかしいと感じた場合には、すぐにかかりつけの医療機関を受診しましょう。

どのような調理方法がよい?

加熱せずに食べる

はちみつの栄養をダイレクトに摂取するには、ヨーグルトやトーストにつけてそのまま食べるのがよいでしょう。

65℃以上には加熱しない

はちみつに含まれている栄養素は45℃くらいから成分が変化し始め、65℃で壊れてしまうといわれています。

紅茶などに入れる場合は、少し冷ましてから、料理に使用する場合も一度火を止めて最後の調整時に加えることをおススメします。

バランスのよい食事を心がけよう

はちみつはそのまま食べても美味しいですが、食べ過ぎで糖質過多になる心配があります。

そこでおススメなのが、お食事の甘味料として砂糖の代わりに使用することです。

前述したとおりはちみつは砂糖の3倍の甘さがあるため、少量で甘味を付けることができます。

ヨーグルトに加えることで適度な甘味を付けることができ、またカレーや肉じゃがなどの煮込み料理に使用することで甘味だけでなくコクもプラスすることができます。

妊娠中にもおススメ!はちみつのまとめ

はちみつは1歳未満の乳児には与えないようにと注意喚起されているため、妊娠中に食べることでお腹の赤ちゃんへ影響が出るのでは…と心配になる妊婦さんもいますが、妊婦さんがはちみつを食べても全く問題はありません。

むしろ、はちみつには妊娠中に必要な栄養素が豊富に含まれているため、ぜひ砂糖の代わりに使用してもらいたい食材です。

しかし、糖質なので食べ過ぎると体重の増加や妊娠糖尿病のリスクが上がり、健康上好ましくありません。

食べ過ぎに注意しながら、日々の食事に取り入れ健康な妊婦生活を送りましょう。