ひじきは妊婦には安全?ヒ素が含まれているって本当?おススメの食べ方や注意点は??【管理栄養士が解説】

普段はあまり気にしていない食事でも、妊娠するとお母さんが食べたものはおなかの赤ちゃんの栄養になるため、何かと気になることも多いですよね。

ひじきもそのなかの一つではないでしょうか?

ひじきは食物繊維をはじめ栄養が豊富な食材なので、健康的な食べ物として人気です。

しかし、「妊娠中はひじきを食べてはいけない」「ひじきに含まれているヒ素が胎児に害を及ぼす」などという話を耳にしたことはありませんか?

今回は妊娠中にひじきを食べてもよい?食べるならどれくらいの量か?食べるときの注意点は?など妊婦さんとひじきの関係について解説していきます。

ひじきはどういう食べ物?

ひじきの成分

ひじきには食物繊維のほか、カルシウム、カリウム、鉄分、マグネシウム、葉酸、ビタミンB1、ビタミンB2など栄養素が豊富に含まれており、つぎのようなはたらきをします。

食物繊維

食物繊維は乾燥ひじき100gあたり43.3g含まれており、水溶性食物繊維だけでなく不溶性食物繊維も含まれています。

水溶性食物繊維は水に溶けるとゲル状になり、血中コレステロール値を下げる、食後の血糖値の急上昇を抑える、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えるはたらきがあります。

不溶性食物繊維には、水分を吸収して便のかさをふやし、腸のぜん動運動を促進させて排便を促すはたらきがあります。

カルシウム

ひじきにはカルシウムが多く含まれており、赤ちゃんの骨形成や妊娠高血圧症の予防に効果的です。

カリウム

カリウムは体内の余分な塩分を体外へ排出するはたらきがあるため、血圧を正常に保つだけでなく、むくみなどの改善にも効果的です。

鉄分

鉄分には貧血を予防するはたらきのほか、免疫力を向上させる効果も期待できます。

マグネシウム

マグネシウムは、血圧を正常に維持するほか、ストレスや精神の安定にも効果的です。

葉酸

葉酸はDNAの合成に関わる栄養素で、二分脊椎症などの赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを低下させる効果があります。

ビタミンB1、B2

ビタミンB1は補酵素として糖質の代謝に関わり、疲労回復効果があります。

またビ、タミンB2は葉酸が正常に活性化するのを手助けする役割をします。

なぜひじきを食べると危険と言われているのか?

結論からいうと、妊娠中にひじきを食べても問題はありません。

では、なぜひじきが妊娠中に食べると危険と言われているのでしょうか?

その理由はイギリスの食品規格庁が「ひじきには発がんリスクの可能性がある無機ヒ素が多く含まれており、摂取を控えたほうがいい」と勧告を出したことがきっかけです。

ヒ素には有機ヒ素と無機ヒ素の2種類があり、ひじきには毒性の高い無機ヒ素が高濃度で含まれています。

そのため、妊娠中にひじきを過摂取すると、胎児が奇形や脳障害をもって生まれてくるリスクが高まるといわれています。

しかし、厚生労働省によると日本人は諸外国と比較しても海藻類をよく食べる習慣はありますが、海藻に含まれているヒ素によって健康に悪影響を及ぼしたというデータは報告されていません。

食べる時の注意点は?

ひじきは適量であれば問題はありませんが、いくつか注意すべき点があります。

食べる量

WHOが定めた無機ヒ素のPTWI(暫定的耐容週間摂取量)を基準にすると、体重50kgの人の場合、1週間に33gのひじきを継続的に摂取することで、健康に影響が現れる可能性があるとしています。

ひじきは小鉢1つあたり乾燥ひじきが約5g~10g程度含まれているため、週に2回程度であれば問題はないでしょう。

アレルギーはある?

ひじきには基本的にアレルギーを起こしにくい食品です。

しかし、ひじきを食べた後に発疹やかゆみなど、からだに変化が起きた場合は、かかりつけの医師に相談してください。

ヨウ素に注意!

無機ヒ素と同様に健康リスクが高まる成分にヨウ素(ヨード)があります。

ヨウ素は甲状腺ホルモンの生成に関わっており、妊娠中や授乳中は普段よりも多く摂取する必要があります。

しかし、過剰摂取にも注意が必要で、妊娠初期にヨウ素を過剰摂取すると、赤ちゃんの甲状腺機能低下の恐れがあるといわれています。

ヨウ素の上限量や18歳以上の男女ともに1日あたり3000μg(1μg=0.001㎎)です。

茹でたひじき100gに含まれるヨウ素の量は約0.96㎎なので、通常の量であれば過剰に摂りすぎることはないでしょう。

どのような調理方法がよい?

前述したとおり、適正な摂取量であれば妊娠中にひじきを食べても問題はありません。

とはいえ、ひじきを食べるときに少しでもヒ素を取り除くことができれば、より安心です。

ひじきは、調理の工夫によって含まれるヒ素を減少させることができます。

水で戻す

乾燥ひじきにふくまれるヒ素は、水で戻すことにより減らすことができます。

水もどしを30分間行うと34%、60分間では68%のヒ素が減るといわれています。

このときに注意する点は、ひじきをもどすときに使用したもどし水にはヒ素が流出しているため、かならず捨てましょう。

茹でる

ひじきを水もどししたあと、茹でることによりさらにヒ素の量を減らすことができます。

ここでも、もどし水同様に茹で汁は必ず捨てましょう。

ほかの食材と組み合わせて調理する

ひじきと一緒に人参や大豆、油揚げなどいろいろな食材と組み合わせて調理すると、食べるひじきの量を減らせるうえに、栄養バランスもよくなります。

鉄釜で加工されたひじきを選ぶ

ひじきには鉄分が豊富なため貧血予防に効果的といわれていましたが、じつは最近の研究ではひじきを加工する際の製法によって鉄分の含有量が変化することがわかってきました。

ひじきを加工するときにステンレス釜で煮て乾燥させたものには100g中6.2㎎、それに比べ鉄釜で煮て乾燥させたものには100g中58.2㎎と約10倍の鉄分が含まれています。

しかし、最近はステンレス釜で似たひじきが主流なので、鉄釜製法と記載されているものを選ぶことをおススメします。

バランスよい食事を心がけよう

野菜

ひじきに含まれている無機ヒ素は、大量に摂取すると体に悪影響を与えることがありますが、週に2回程度であれば、全く問題はありません。

しかし、ひじきに限らずどの食材でも大量に摂取してしまうと、栄養が偏ってしまい体に悪影響を及ぼす可能性があります。

妊娠中はいろいろな食材をバランスよく取り入れて栄養が偏らないように注意しましょう。

まとめ

ひじきに含まれているヒ素は、水でもどしたり、茹でることにより減少します。

むしろ、食物繊維や鉄分など妊娠中に摂ってほしい栄養素が豊富に含まれているため、適量であれば積極的に摂ってほしい食材のひとつです。

さらに、野菜や大豆などと組み合わせることによって、栄養のバランスもよくなります。

おなかの赤ちゃんのためにも、バランスのよい食事をこころがけ、健康な妊婦生活を送りましょう。