妊娠中の便秘について。原因や妊娠中でもできる便秘解消法【正看護師が解説】

妊娠すると、つわりに始まりマイナートラブルはよく起きます。その中でも妊婦さんの3人に1人が便秘になるといわれています。

これは妊娠すると起こる、ホルモンバランスの変化が関係しています。

便秘よりは少ないですが、ホルモンバランスの影響により下痢に悩まされる人もいます。

どちらも、なってみないとわからないですが、つらいものですよね。

今まで便秘で薬を使用していた人も、妊娠により安易に薬に頼れず、解決法に悩む妊婦さんも多くいます。

そこで今回は、妊娠すると便秘になる理由と、妊娠中でもできる便秘解消法をご紹介します。

妊娠するとなぜ便秘になるの? 6つの理由

腹痛

便秘になると、お腹の中の赤ちゃんは圧迫されて苦しい?と心配になるママもいるかもしれません。

答えは、大丈夫。

赤ちゃんは子宮の中で羊水に覆われ、外部からの衝撃や圧迫から守られているので心配いりません。

ただ、最近の研究でわかってきたことがあります。

赤ちゃんは、妊娠中のママの腸内環境を引き継いで生まれてくるそうです。

赤ちゃんのためにも、妊娠中の腸内環境を良くすることが大切です。

まずは、妊婦が便秘になりやすい原因から見ていきましょう。

ホルモンの変化

妊娠すると、ホルモンバランスの乱れが起きやすくなり、便秘になりやすくなります。

それは、女性ホルモンの1つである、プロゲステロンが多く分泌されるからです。

このホルモンは、妊娠を継続させるために必要なホルモンです。

一方、プロゲステロンは腸の働きを抑制させる作用があります。

腸の蠕動運動と呼ばれる、便を肛門に送り出す腸の活動が弱くなってしまうため、便秘に陥りやすいのです。

さらに便が腸に留まる時間が長くなると、腸管が水分の再吸収をおこなうため、便が硬くなります。その結果、便秘をさらにひどくさせてしまい、悪循環が起こります。

腸の圧迫

腸の圧迫による便秘は、妊娠後期に起こる原因の1つです。

妊娠の週数が進むにつれて、子宮が大きくなりその結果、腸が圧迫され、腸の血流が悪くなる結果、便秘になりやすいです。

これは、赤ちゃんが順調にお腹の中で育っている証拠でもあります。

妊娠後期は、どんどんお腹が大きくなり、胃や腸が圧迫されて苦しい時期ですが、出産までの辛抱なので上手に乗り越えたいものですね。

つわりによる食事の変化

つわりは個人差が大きいものですが、妊娠初期から始まります。

また妊娠後期に入ってから、胃が圧迫されることでつわりが出る人もいます。

吐き気が起こるので、食べられる量が減ったり、味覚の変化により食べられるものが限られるなど、食事の変化が便秘を引き起こします。

妊婦 妊娠

妊娠中の食事はどうする?妊婦さんが食べてはいけない食べ物を紹介【正看護師が解説】

2019年2月9日

腹筋の低下

妊娠すると、吐き気やだるさ、眠さなど体の不調を感じやすく、横になりがちで運動不足になりやすいです。

またお腹が大きくなることから動きづらく、お腹に力を入れられないことから、腹筋の低下が起こります。

腹筋の低下により、便を排出する力が弱くなり、便秘に傾きやすくなります。

生活リズムの乱れ

妊娠すると、

  • つわりによる食事の変化
  • 倦怠感や眠気から運動不足
  • 不快症状からまとまった睡眠がとれない

など生活のリズムに乱れが出やすくなります。

生活の中でも、起きる時間と寝る時間、そして3度の食事の時間が同じであると、排便のリズムが整いやすくなります。

妊娠してからも、上記の3点は毎日時間を決めて生活することで、自然と同じ時間に毎日便意を感じるようになります。

毎日同じリズムで生活することをオススメします。

ストレス

妊娠すると、体の変化に伴い、さまざまなマイナートラブルがつきものです。

便秘も経験してみないとわからないですが、つらいものですね。

ただ、気にしすぎるのはやはり、良くないものです。

ストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れ、神経伝達がスムーズにいかず、余計に排便がとどこおってしまいます。

妊婦には便秘はつきものだととらえ、あまり神経質にならないよう、おおらかな気持ちで過ごすことも心がけてみましょう。

そして、自分の生活の中で取り入れられそうなことをやってみましょう。

妊娠中でもできる便秘解消法 5つ紹介

便秘解消法の基本は、食事・運動・生活リズムの3点です。

これは妊娠の有無関係なく同じです。

今回は、この3点に加え、妊婦さんが取り入れやすい方法をお伝えします。

水分の摂取

朝、目覚めてから腸の働きは活発になります。

つわりなどで、朝から食事がとれない人でも、水分の摂取は必ずしましょう。

目覚めたら、まず水を飲むことを習慣にすると良いでしょう。

とくに合併症などで医師から水分制限が出ていない人は、食事以外の水分として、1日1L摂るようにしましょう。

また、みかんやオレンジ、グレープフルーツなどの柑橘系は便を柔らかくする作用があります。

これらをジュースで水分補給しても良いでしょう。

柑橘系はつわり中でも食べやすい食材なのでオススメです。

ただ、果物は加糖が多く含まれているため、妊婦は尿糖が出やすく、摂りすぎは注意です。

常飲するのではなく、適切量にしましょう。

妊婦検診では、尿検査があるので、検診日の朝は果物は控えたほうが良いでしょう。

つわり中の飲み物のおすすめは?比較的飲みやすい飲み物について【正看護師が解説】

2018年3月29日

食生活

食生活

食生活

便秘を解消させるためには、1日3食の中で食物繊維が豊富に含まれている食材をたっぷり摂ることが大切です。

食物繊維には、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」があります。

不溶性食物繊維は、豆類や穀物に多く含まれています。白米を玄米や五穀米に変えたり、白いパンならライ麦パンなど茶色のパンに変えることで食物繊維が豊富に摂れます。

妊婦は体重管理も必要なので、これは糖質量を抑えることにもつながり、良い方法ですね。

不溶性食物繊維の働きは、腸内で水分を含んで膨らみ、腸壁を刺激して腸の蠕動運動を活発にしてくれます。

水溶性食物繊維は、野菜や海藻、果物に多く含まれています。

働きは、便を柔らかくして排便をしやすくしてくれます。また、腸内環境を整えてくれる作用があります。

便の量を増やして腸の動きを活発にしたい場合は、「不溶性食物繊維」、便を柔らかくして腸内環境を整えたいなら、「水溶性食物繊維」を摂る必要があります。

両方バランスよく摂取できることが望ましいです。

また、油分も適切に摂取しましょう。

体重が気になって油を抜く人もいますが、適度な油分は排便コントロールの点においても必要になります。

妊娠中は、さまざまなマイナートラブルに悩まされるからこそ、今までの生活を見直すきっかけにもなります。

お腹の中に赤ちゃんがいることで、体に入るものが気になりだす今こそ、自分に合う良い食事を知るチャンスにしましょう。

妊婦の便秘解消レシピ

納豆もずく丼
納豆

納豆

材料1人分
  • 納豆1パック
  • もずく1パック
  • ごはん茶碗1杯分
  • 小口ねぎ適量
作り方
  1. ごはんを小さめの丼によそう
  2. 納豆を添付のたれで混ぜ、1の上にかける
  3. もずぐをカップの汁ごと、納豆の上からかける
  4. 小口ねぎを上からかければ完成
ポイント

不溶性食物繊維の納豆と、水溶性食物繊維のもずくが同時にバランス良く摂取できます。

ごはんを五穀米や玄米入りに変えるとさらに栄養価が上がって良いですね。

妊婦さんが納豆を食べるときの注意点は?【看護師が解説】

2018年9月5日
ライ麦パンフレンチトースト
ライ麦パン

ライ麦パン

材料2人分
  • ライ麦食パン2枚
  • バター大さじ2
  • はちみつ大さじ2
  • 卵1個
  • 牛乳100ml
  • 黒糖かオリゴ糖大さじ2
作り方
  1. ライ麦食パンを6等分にカットする
  2. 卵を割りほぐし、砂糖を混ぜ、さらに牛乳を加えて卵液を作る
  3. 2にカットした食パンを漬け込む
  4. パンが卵液を吸ったら、フライパンでバターを溶かし、パンを焼く
  5. パンをお皿に盛り、はちみつをかける
ポイント

はちみつには整腸作用があり、少量でも満足感が得られます。

はちみつがなければ、オリゴ糖シロップでも良いですね。

バナナヨーグルトジュース
バナナヨーグルト

バナナヨーグルト

材料コップ2杯分
  • バナナ大きめ1本
  • ヨーグルト大さじ4
  • きなこ大さじ1
  • プルーン2個
  • 牛乳50ml
作り方
  1.  材料をすべてミキサーにかけるだけ
ポイント

牛乳の量は好みの濃度に合わせて調整できます。

バナナの糖度により、甘さが欲しい人はオリゴ糖を足しても良いでしょう。

冬は電子レンジで少し温めて飲むと、吸収がアップします。

夏は氷をミキサーに入れると、のどごしが良くなります。

妊婦さんがヨーグルトを食べるときの注意は?【看護師が解説】

2018年8月13日
乳酸菌 オリゴ糖
味噌汁

味噌汁

ヨーグルトや納豆、つけもの、味噌などの発酵食品には乳酸菌が豊富に含まれています。

具沢山のお味噌汁などは積極的に摂取したい食事です。

出産後は育児のすきま時間で食事の用意をしないといけません。

要領を得るまでは、調理する時間を確保することは難しいものです。

そんな時にも具沢山の味噌汁は力強い味方になります。妊娠中からいろんなパターンを作り慣れておくことも良いですね。

オリゴ糖は、腸内で善玉菌を増やしてくれます。

これは、便の水分量を正常化させたり、腸の蠕動運動を促進させる働きがります。

オリゴ糖は粉末やシロップでスーパーに売っています。

ヨーグルトにオリゴ糖を入れるなど、普段使用している砂糖の代わりとして使えば良いので手軽にトライできそうですね。

運動

妊婦 ヨガ

妊婦 ヨガ

つわりがひどく体調がすぐれない時や、お腹が張る時、または医師から運動を止められている場合は、安静にしましょう。

安静の指示がなければ、ウォーキングやヨガなど、呼吸法も練習できる運動は妊婦さんに効果的です。

便秘に効く 仰向けツイスト

  1. 仰向けに寝る
    1. ひざを立てて、仰向けに寝る。手は広げて体の横に置く。
  2. 両足を引き寄せる
    1. 両足のかかとをおしりに引き寄せる。
  3. 両ひざを右へ倒す
    1. 息を吐きながら、両ひざを右に傾け、頭は左に向ける
    2. 右手は左の太ももに添え、左手は床を軽く押さえる
    3. 数回深く呼吸する。
    4. 2の姿勢に戻る
      1. 息を吸いながら、両ひざをセンターに戻して2の姿勢に戻る。
  4. 反対側も3~4を同様に行う

参考文献: マタニティ・ヨガLesson 監修者スタジオ・ヨギー 新星出版

薬

便秘がひどい場合は、早めに受診している産婦人科医に相談しましょう。

無理に排便しようと、いきむと切れ痔を誘発したり、おながが張ってしまうためやめましょう。

また、便秘薬の中には過量に内服することで、子宮収縮を起こすことがあります。

自己判断で使用せず、かかりつけ医で処方してもらいましょう。

産婦人科なら、妊娠中でも使用できるお薬を処方してくれるので安心です。

市販の薬や漢方を使用したい場合は、在中している薬剤師に相談しましょう。

ただ、総合的に診てもらえるかかりつけ医に処方してもらう方が一番安心です。

まとめ

妊娠中は、誰でも便秘になりやすいものです。

過敏になりすぎず、できることから始め、上手に付き合いたいものですね。

せっかくなら良いきっかけとしてとらえ、良い腸内環境、健康な体を手に入れましょう!