妊婦さんがレバーを食べるときの注意は?【看護師が解説】

妊娠中にレバーを食べても大丈夫かどうか、気になっている人は多いのではないでしょうか。

レバーはビタミンAが豊富で、あまり食べない方が良いという情報があるからでしょう。

赤ちゃんに影響があるかもしれないとなると、心配になりますね。

ここでは、レバーに含まれる栄養素やビタミンAの含有量やレバーを食べるときの注意点などに関してお話します。

レバーとはどういう食べ物か?


レバーには、鶏肉、豚肉、牛肉のレバー(肝臓)の3種類があります。

どのような栄養素が入っているか見てみましょう。

カロリー

下の表に100g当たりの各レバーのカロリーをまとめました。

100g当たりのカロリー

鶏肉レバー 111kcal
豚肉レバー 128kcal
牛肉レバー 1100kcal

豚レバーのひと切れ9gで、カロリーは12kcalです。

ビタミンA

皮膚やのど鼻などの粘膜を正常に保つ働きがあります。

夜盲症の予防にも良いとされています。

ビタミンB12

葉酸と共に赤血球の形成のサポートする働きがあります。

鉄分

レバーには、ヘム鉄という身体の中での吸収が良い動物性の鉄分が含まれています。

妊娠後半に赤ちゃんへの供給が増えることから、ママは貧血になりやすい状態です。

妊娠中に、積極的に摂りたい栄養素の一つです。

葉酸

赤血球や細胞を作るために必要な栄養素です。

赤ちゃんの発育に不可欠とされ、妊娠昼や授乳中にも必要な栄養素です。

レチノールとは

レチノールとは、脂溶性ビタミンに分類されています。

レバーやうなぎに多く含まれている栄養素です。

レチノールは、熱や水洗いによって減少せず、油に溶けるため炒めると吸収率が高くなります。

レチノールとは

ビタミンAには、2種類あります。

動物性食品(レバーなど)に多く含まれるレチノールと、植物性食品(緑黄色野菜など)に含まれるカロテノイドの2種類があります。

レチノールは、身体の中に蓄積されやすい特性があり、摂り過ぎには注意が必要です。

カロテノイドは、体内で必要になる分がビタミンAに変換されるため、過剰摂取になることはないといわれています。

妊娠初期(3か月頃まで)や妊娠を希望している女性は、赤ちゃんに影響があるためレチノールの摂り過ぎ内容にしなければなりません。

では、次にレバーに入っているレチノールの量をお話しましょう。

レバー入ってる量は

それぞれのレバー100gに入っているレチノールの量を表にしました。

結構たくさん入っていますね。

100g当たりのレチノール量

鶏肉レバー 14000μg
豚肉レバー 13000μg
牛肉レバー 1100μg

レチノール摂取奨励量と上限量

厚生労働省発表の「日本人の食事摂取基準2015年版」によると、妊娠前のレチノール摂取の奨励量は、650-700μgです(参考文献1)。

妊娠するとこれに80μg増やして、730-780μg程が良いとされています。

鶏や豚肉のレバーは、1日に串焼き1本(20-30g)ほどが目安量です。

牛レバーは、もっと食べても大丈夫ですね。

1日の上限量は妊娠にかかわらず、2700μgです。

妊娠前 650-700μg
妊娠中 730-780μg
上限量 2700μg

どのような危険がある?

レチノールは、胎盤から赤ちゃんに運ばれます。

妊娠初期にレチノールを多く摂ると、胎盤を通じて赤ちゃんの耳の形態異常などの奇形が起こる可能性が示唆されています。

また、食べ過ぎると、頭痛やめまい、肝機能障害などのリスクもあります。

妊娠中はずっと食べてはいけない?

妊娠中は、妊娠時期にかかわらずレバーは食べても大丈夫ですが、量に注意しながら食べましょう。

特に妊娠初期は、赤ちゃんへの影響が指摘されていますので、気をつけましょう。

たくさんの量を毎日食べるというようなことがなければ、食べても大丈夫です。

牛レバーは、他のレバーに比べるとレチノールの量が少ないので、安心して食べることができるかもしれませんね。

レバーを食べるときの注意

レバーを食べるときの注意点をお話ししましょう。

一度にたくさん食べない

栄養価が高いからといって、一度にたくさん食べるとかえって栄養が偏ります。

色々なものを取り入れて食べることを意識しましょう。

毎日食べない

レバーは、たくさんの量を毎日食べなければ、妊娠中に食べても大丈夫です。

1日だけレバーを多く食べ過ぎたとしても、あまり影響はありません。

でも、それを毎日繰り返していると、栄養面や赤ちゃんへの影響が心配です。

必ず火を通す

以前、焼肉店では生レバーが出されていたことがありましたが、1012年(平成12年)以降は、安全面を考慮して生レバーを出すのが禁止されました。

生レバーは、食中毒や肝炎を引き起こすリスクがあります(参考文献2)。

必ず火を通して食べるようにしましょう。

味付けを濃くしすぎない

レバーは臭みがありますので、血抜きを充分にする必要があります。

臭みを取るために、生姜やにんにく、玉ねぎなど、香味野菜と一緒に料理するといいですね。

臭みを取るために、あまり味付けを濃くしないようにしましょう。

塩分の摂り過ぎが心配です。

レチノールは他の食材にも入ってる?

レチノールを含む食材をまとめてみました。

食品100g当たりのレチノール量 目安量
あんこうの肝 8300 1人前約60g
うなぎの肝(生) 4400 水煮1個で約4g(≒176)
レバーペースト 4300 大さじ1杯約12g
うなぎの蒲焼 1500 1匹160gの4分の1の重さ約48g。(≒720)
銀だら 1100 切り身100g1切れ(≒1100)

( )はレチノールの量を示しています。単位はμgです。

バランスの良い食事を心がける

バランスの良い食事とは、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を偏ることなく摂ることです。

次のことを心がけると良いでしょう。

ひどい偏食をしないように

嫌いなものが多く、偏食すると栄養が偏ってしまいます。

どうしても食べられないものは、無理をして食べる必要はありませんが、その他の食品で代用しましょう。

例えば、肉が嫌いなら魚や卵、豆腐や豆などでタンパク質を補うことができます。

同じものばかり食べないように

栄養価が高いからといって、毎日同じものばかり食べるのは良くありません。

また、同じ栄養の摂り過ぎにつながる可能性がありますので、注意が必要です。

色々な食品から栄養を摂るようにしましょう。

3食きちんと食べるように

1日に3食をきちんと食べることが基本です。

妊娠によって、これまでの食生活をすべてかえる必要はありません。

でも、1日1食や2食だと母体と赤ちゃんの栄養が充分に摂ることができない可能性があります。

つわりの時期を除いて、3食きちんと食べるように努力できるといいですね。

ダイエットはしないように

妊娠中は、体重管理のために、無理なダイエットはしないでください。

特に妊娠中には、炭水化物を極端に減らしたり、食べなかったりするのはよくありません。

身体に必要とされる基本的なエネルギーは、炭水化物から作られます。

その他の栄養素も極端に減らさないようにしてくださいね。

赤ちゃんのためにも、食事を抜いたり無理なダイエットはやめましょう。

適量を食べるように

妊娠中でもたくさん食べてしまう人、体重が気になって食事の量を制限している人などがいるかもしれません。

妊娠中の食事の適量を知って、量を調節しましょう。

厚生労働省から発表された「妊産婦のための食事バランスガイド」が役立つでしょう。

妊娠中の食事の量とバランスが、お皿の数で示されていますので、わかりやすいです。

参考にしてみてくださいね。

[厚生労働省「妊産婦のための食事バランスガイド」]

よく噛むように

充分に噛むと、唾液もよく出て消化にもいいですね。

また、満腹中枢が刺激されて、食べすぎないようにセーブしやすくなります。

いつもよりも数回よく噛むことから始めてみてはいかがでしょうか。

おやつも大丈夫

食事で足りない分は、おやつを食べても大丈夫です。

でも、カロリーオーバーにならないように注意しましょう。

お腹が苦しくて、1回では食べきれない場合は、分割して食べても大丈夫です。

おやつは、お菓子でなくてもいいのです。

おいしく楽しく食べるられるように

食事はおいしく楽しく食べるものです。

特に指導されていなければ、制限する必要はありません。

食事について気になる場合は、医師や助産師、栄養士に相談する良いでしょう。

サプリメントに注意

現在、どこでもサプリメントが簡単に手に入るようになりました。

妊娠すると栄養面が気になるために、サプリメントを取り入れる妊婦さんも増えています。

でも、何でも摂り過ぎはよくありません。

ビタミンAに関しては、摂り過ぎると赤ちゃんに影響を及ぼす可能性がありますので注意が必要です。

どのサプリメントにどれくらいのビタミンAが入っているのかを確認しましょう。

他の栄養素でも摂り過ぎないようにしましょう。

まとめ

レバーの栄養素やビタミンAの量、レバーを食べるときの注意点などに関してお話ししました。

レバーは、とても葉酸や鉄分などを豊富に含む栄養価が高い食品です。

でも、ビタミンA(レチノール)の含有量も高いのです。

妊娠初期の妊婦さんは、赤ちゃんへの影響がありますので、このレチノールを摂り過ぎないように注意しましょう。

毎日、たくさんのレバーを食べなければ大丈夫です。

比較的レチノールの量が少ない牛レバーは、安心して食べられるかもしれませんね。

色々な食品からの栄養を摂って、ママも赤ちゃんも健康に過ごせるといいですね。

参考文献

  1. 「日本人の食事摂取基準2015年版」
  2. 厚生労働省 「牛レバーを生食するのは、やめましょう」
  3. 厚生労働省「妊産婦のための食事バランスガイド」