ハチミツは赤ちゃんには危険!?はちみつを避けるべき理由と開始してもよい時期とは?【保育園栄養士が解説】

はちみつ

母子手帳や育児書に『ハチミツは1歳未満のこどもにはあたえないでください』という一文を見たことはありませんか?

ハチミツは栄養価もたかいため、大人にとっては健康や美容に効果的な食品ですが、赤ちゃんにとっては非常に危険な食品です。

実際にはちみつのラベルには、1歳未満の赤ちゃんにはあたえないようにとの注意書きがされています。

これは、1987年に厚生労働省が乳幼児にハチミツを与えないよう注意喚起を行ったからです。

今回はなぜ赤ちゃんにはちみつをあたえてはいけないのか?もし与えてしまったら?いつからあたえてもよいの?といった疑問を詳しく解説していきます。

ハチミツはどんな食べ物?

ハチミツとは、その名のとおりミツバチが採取した花の蜜を、ハチの巣の中で加工、貯蔵したものです。

はちみつのにはグルコース、フルクトース、マルトースといった複数の糖分のほかに、カルシウム、ビタミンB1、B2、葉酸などのビタミン類、鉄、パロチン、約22種類のアミノ酸、約27種類のミネラル、約80種類の酵素など豊富な栄養素が含まれています。

上白糖が100gあたり384kcalであるのに対して、はちみつは294kcalと低カロリーです。

ハチミツが危険な理由

なぜ赤ちゃんにハチミツをあたえてはいけないかというと、ハチミツに含まれているボツリヌス菌による『乳児ボツリヌス症』の危険性があるためです。

ボツリヌス菌は、全てのハチミツに含まれているというわけではありませんが、日本国内で売られているハチミツの約5%に含まれるといわれています。

ボツリヌス菌は非常に毒素の強い菌ですが、消化機能がしっかりとしている大人が食べても問題はありません。

しかし、赤ちゃんは消化器官が未熟なうえ、腸内環境が整っていません。

そのため腸内で増殖したボツリヌス菌の毒素により『乳児ボツリヌス症』を発症してしまうのです。

ほとんどの場合、適切な治療により治癒しますが、まれに亡くなることもあります。

乳児ボツリヌス症の症状

(一般社団法人母子栄養協会より抜粋)
芽胞を摂取したのち、3〜30日後から症状が始まります。

  • 便秘
  • 表情のこわばり
  • 母乳やミルクの吸い込みが弱くなる
  • 鳴き声が弱くなる
  • 動きが鈍くなり、筋力が低下する
  • 呼吸をしにくそうにする

どんなハチミツも危険?

カステラ

ボツリヌス菌の芽胞の耐熱性は120℃4分とされており、通常の加熱や調理では死滅しません。

そのため、ハチミツ入りのパンやジュース、カステラなど、少量でもハチミツが入っているものは、あたえてはいけません。

ハチミツ入りと記載されているものはすぐに気づくことができますが、調味料にはちみつが入っている場合もありますので、市販のものをあたえる場合には、どんな成分が入っているか必ずチェックしましょう。

また外食する際にも、ハチミツが入っていないか事前に確認するようにしてください。

母乳の時はママもハチミツは避けたほうがいい?

授乳 母乳

赤ちゃんを母乳で育てている方の場合、食べたものが血液となって赤ちゃんに与えらえるため、ハチミツは控えた方が良いのでは?と思う方もいらっしゃるでしょう。

赤ちゃんに飲ませる母乳ですから、心配になって当然ですが、母乳を介して赤ちゃんにボツリヌス菌が感染することはないので心配はありません。

ハチミツにボツリヌス菌が含まれていたとしても、大人の腸なら繁殖することはありませんし、血液に混じることもありません。

そのため、お母さんがハチミツを食べていても、安心して母乳を与えることができます。

しかし、ハチミツが手についてしまった場合には、誤って赤ちゃんの口に入ってしまう可能性もあるため石鹸で洗い流してください。

また母親がハチミツを食べても基本的には赤ちゃんに何か影響がでるということはありませんが、赤ちゃんがアレルギーを持っている場合、まれに発赤や発疹、じんましんなどのアレルギー症状がでることがあります。

例えば、母親がそばの花から採れたハチミツを摂取して赤ちゃんがそばアレルギーなどを持っている場合にはアレルギー症状がでることがあります。

何かしらの症状が出た場合には、ハチミツを食べるのをやめて、かかりつけの病院を受診してください。

ハチミツを食べてしまったときは?

赤ちゃんが誤ってハチミツを口に入れてしまったり、間違えてあたえてしまった場合には、まず口の中のハチミツを拭い、病院受診しハチミツを食べてしまったことを伝えてください。

ボツリヌス菌には3日~30日の潜伏期間があり、すぐに身体に症状が現れるわけではありません。

医師とともに注意深く経過を観察し、異常がある場合にはすぐに対処できる体制を整えておきましょう。

もちろん、全てのハチミツにボツリヌス菌が含まれているわけではありませんので、誤って食べてしまっても乳児ボツリヌス症を発症しないこともあります。

しかし自己判断せずに必ず医師の相談しましょう。

近年死亡事故も

2017年3月に、生後6ヶ月の男児が市販のジュースのハチミツを入れて離乳食として与えられ、けいれんや呼吸不全などの症状で入院したのちに死亡するという事故が起きています。

ハチミツを乳児に与えてはいけないということは母子手帳にも記載されていますが、このことを少なからず知らない人がいるのも現状です。

ボツリヌス菌の毒性は非常に強く、加熱しても死滅しないため、口に入るものにはハチミツが含まれていないか、必ずチェックするようにしましょう。

ハチミツはいつから大丈夫?

赤ちゃんにハチミツを食べさせるのは、必ず1歳を過ぎてからにしてください。

1歳を過ぎると消化器官も充分に発達していますし、離乳食で食べ物を消化する力をついているため、ハチミツにボツリヌス菌が含まれていたとしても、繁殖することはなくなります。

離乳食がスタートした時期が遅かった方や、消化器官の発達具合が心配な方は、医師に相談してアドバイスをもらうとよいでしょう。

まとめ

はちみつ

1歳未満の赤ちゃんにとって、ハチミツは命の危険も伴う危ない食べ物ですが、1歳を過ぎれば優れた食材に変わります。ハチミツにはたくさんの健康効果がありますので、1歳を過ぎたら、少しずつ取り入れてましょう。

ただし消化器官の発達具合が心配な方などは医師に相談してアドバイスをもらうとよいでしょう。

ハチミツの良い部分も悪い部分も知ることで、赤ちゃんを健やかに育てていきましょう。

 

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