育児ノイローゼとは?症状や対処方法を紹介【保健師が解説】

もくじ

赤ちゃんが生まれると想定外のことがたくさん起こり、自分の思うように動けないことも多いですよね。

赤ちゃん優先で自分のことは後回しになるので、可愛いはずの我が子にイライラしたり、ストレスを感じてしまうママもいるのではないでしょうか。

育児が辛いと感じているママは、もしかすると育児ノイローゼになっているかもしれません。

育児ノイローゼがひどくなると子どもへの虐待につながることもあるため、早めに気付くことが大切です。

今回は育児を頑張っているママのために、育児ノイローゼの原因や症状、セルフチェック項目、育児ノイローゼから抜け出すための方法や病院を受診する目安についてまとめました。

育児ノイローゼとは?

女性 悲しみ

まずはじめに、育児ノイローゼがどのようなものかを説明します。

育児ノイローゼの意味

育児ノイローゼとは、その名の通り「育児によるノイローゼ(神経症)」のことを指します。

つまり、育児によるストレスの影響で精神的に不安定になっている状態です。

育児ノイローゼは「甘え」ではない

出産して子育てが始まると、うまくいかないことばかりで心が折れそうになることもありますよね。

しかし、育児が辛いと感じても「母親なのだからそんなことを思ってはいけない」と我慢しているママも多いのではないでしょうか。

育児ノイローゼは甘えではなく、育児を頑張りすぎて心が疲れてしまっている状態です。

辛いと感じたら我慢せず、早めに気付いて適切な対処方法をとる必要があります。

育児ノイローゼの原因

育児ノイローゼの原因や、なりやすい時期について説明します。

育児ノイローゼの原因①産後のホルモンバランスの変化

出産後はホルモンバランスが大きく変化するので、特に精神的な不調が起こりやすい時期です。

それに加えて、頻回の授乳で肉体的な疲労がどんどん蓄積していくので、より育児ノイローゼが起こりやすい状態です。

育児ノイローゼの原因②初めての育児

初めての育児は慣れないことばかりで、緊張の連続です。

赤ちゃんが泣き止まないと、責められているように感じたり、無力感を感じるママもいるかもしれません。

うまくいかないことばかりだと、不安になったり、辛く感じますよね。

このように、初めての育児はストレスを感じやすいため、育児ノイローゼになりやすいと言われています。

育児ノイローゼの原因③ママ自身の性格

完璧主義

子どもがいると想定外の出来事が起こるので、前もって準備をしていても、計画通りに動くことは難しくなります。

しかし完璧主義のママは、計画通りにすすまないと自分を責めてしまうこともあるのではないでしょうか。

また、自分の思い通りにならないと「こんなはずではなかったのに」と、理想と現実のギャップに苦しむこともあるかもしれません。

何事も完璧にこなそうとすると、無意識に自分を追い込んでしまうので、育児ノイローゼになりやすい状態です。

責任感が強い

責任感が強いと「赤ちゃんをきちんと育てなければいけない」、「自分がしっかりしないといけない」と思うあまりに、自分を追いつめてしまうこともあります。

周りに相談できずひとりで頑張った結果、気付かないうちに育児ノイローゼになることもあります。

他人と比べてしまう

順風満帆な人を見ると羨ましく感じるなど、他人と自分を比較してしまうタイプのママも注意が必要です。

他人の子どもと自分の子どもを比べ、少しでも劣っていると感じると、夜も眠れないほど不安になってしまうこともあるようです。

心配性

心配性のママは、例えば育児書に「寝返りは5~6ヶ月でできるようになる」と書いてあったとしたら、その通りに子どもが成長しないと必要以上に心配してしまうことが多いです。

心配性のママは育児ストレスを過剰に感じやすくなるので、育児ノイローゼになりやすい状態です。

育児ノイローゼの原因④周りにサポートしてくれる人がいない

周りに頼る人がいないと、「自分ひとりで頑張らないといけない」と思ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、自分ひとりで頑張ろうとすると、気付かないうちに相当なプレッシャーがかかっています。

周りに相談できる人やサポートしてくれる人がいないと、そのプレッシャーに押しつぶされてしまい、育児ノイローゼになってしまうこともあります。

誰でも育児ノイローゼになる可能性がある

育児ノイローゼの原因はたくさんありますが、ひとつの原因というよりも、さまざまな条件が重なって起こります。

誰でも発症する可能性があるので、「自分は精神的に強いから関係ない」などと思わないようにしましょう。

育児ノイローゼになりやすい時期

産後1か月頃

前述した通り、産後はホルモンバランスが変化する時期なので、特に精神的な不調が起こりやすい時期です。

そのうえ慣れない育児や頻回の授乳で疲労困憊状態になるので、心身共に余裕がなくなります。

このため、産後1か月以内は育児ノイローゼを発症しやすい時期と言われています。

子どもが2歳になる頃

2歳頃には一般的に離乳食を卒業して夜もよく眠るようになり、少しママの負担が減るものの、子どもの意思がはっきりしてきます。

「魔の2歳児」とも言われる2歳頃は、「イヤイヤ期」真っ只中ですよね。

何をするにしても「イヤ!」と言われてしまうと、つい感情的になってしまうこともあるのではないでしょうか。

このように、子どもが2歳になる頃も育児ノイローゼを発症しやすい第2のピークと言われています。

育児ノイローゼの症状

育児ノイローゼには、精神的な症状と身体的な症状があります。

育児ノイローゼの精神的な症状

  • 些細なことでイライラする
  • 何もやる気が出ない
  • 感情の起伏が激しい
  • 思考力が低下する
  • わけもなく涙が出る

ストレスで自律神経が乱れると、神経が敏感になります。

そのため、今までは気にしていなかったような些細なことが気になったり、少しのことでもイライラしやすくなります。

また心がエネルギー不足になるため、普段の生活への意欲がなくなり、無気力になります。

そして可愛いはずの我が子を可愛いと思えなくなり、最悪の場合、虐待につながることもあります。

育児ノイローゼの身体的な症状

  • 不眠
  • 円形脱毛症
  • 食欲不振
  • 生理不順

ストレスがかかると、体にもさまざまな影響が出ます。

例えば睡眠不足で眠いのに全然寝付けない、何も食べる気が起きない、髪の毛が抜ける、などの症状が起こりやすいです。

育児ノイローゼの症状は個人差が大きい

しかし、育児ノイローゼの症状の現れ方は個人差が大きいのが現状です。

体調を崩して病院を受診したら、実は育児ノイローゼだったということもあるようです。

育児ノイローゼかチェックしよう

育児ノイローゼのリスクをチェックする方法はたくさんありますが、その中でもわかりやすいと評判の「ドクターズミー」のセルフチェック項目をご紹介します。

心身のバランスを崩してしまう前に、まずは自分でチェックしてみましょう。

ドクターズミー 育児ノイローゼチェック

  • 育児において激しい孤独感を感じてしまう
  • 父親や母親、姑などに八つ当たりをしてしまう
  • 子どもにプチ虐待をしてしまっている自覚がある
  • 産後に比べ体重が激減している
  • 些細なことでイライラしてしまう
  • 炊事や洗濯にやる気が出なくなってしまっている
  • しっかり寝ても前日の疲れがとれない
  • 育児で睡眠時間が激減してしまっている
  • 睡眠中、夢をよく見て深い眠りにつけない
  • 人と話すことが苦痛になっている

https://doctors-me.com/doctor/diagnosis/84より引用

5個以上あてはまると要注意

この中で5個以上あてはまると、育児ノイローゼの「ハイリスク状態」と判断されるようです。

しかしこれはあくまで「セルフチェック」なので参考程度に利用し、正しい診断は病院でしてもらうようにしましょう。

育児ノイローゼは早めに気付くことが大切

育児には楽しいだけでなく大変なこともあるので、どんなママも少なからずストレスを感じているのではないでしょうか。

育児ノイローゼはいきなり発症するわけではなく、少しずつストレスが積み重なったり、さまざまな条件が重なって起こります。

最近なんだかイライラしてしまう、疲れやすくなった気がするなど、少しでも異変を感じたら見逃さないようにしましょう。

早めに気付いて対処できれば、育児ノイローゼを防ぐことができます。

そのために、先ほどご紹介した育児ノイローゼのチェックリストを定期的に活用して、自分のストレス度を定期的にチェックすることをおすすめします。

育児ノイローゼから抜け出すためには

育児ノイローゼから抜け出す方法や、病院を受診する目安について説明します。

ひとりで抱え込まず誰かに相談する

まずは辛い気持ちを一人で抱え込まないことが大切です。

誰かに話すと自分の気持ちが整理できて、心が軽くなることもあります。

旦那さんやママ友、自分の両親や兄弟など、身近な人に相談してみましょう。

子育て中のママとアプリで交流する

子どもの月齢が浅いうちは、外出がなかなか大変ですよね。

しかし、子どもの月齢が浅い時期ほど育児に不安を感じているママが多いのが現状です。

そんなときは、子育て中のママとアプリで交流してみるのも良いですね。

同じような悩みを持つママと気持ちを共有したり、他のママからアドバイスをもらえることもあるかもしれません。

子育て中のママが書いたブログを読む

子育て中のママが書いているブログを見るのもおすすめです。

もちろん程度の差はありますが、どのママもきっと育児の悩みを抱えています。

悩んでいるのは自分だけではないと思えると、安心できるかもしれません。

完璧を目指さない

完璧を目指すと無意識のうちに自分を追い込み、心が疲れてしまいます。

そして、何事に対しても「こうしなければいけない」と考えていると、ママも子どもも窮屈に感じてしまいます。

子育ては「100点満点」を目指さなくても大丈夫なので、適度に手を抜きながら、子どもと一緒に笑顔で過ごせるようにしたいですね。

自分の頑張りを認める

ママになると「家事や育児をして当たり前」とみなされ、頑張っても誰からも褒めてもらえずに辛く感じることもあるのではないでしょうか。

育児が辛いと感じるのは「育児を頑張っている証拠」なので、自分の頑張りを認めてあげましょう。

病院を受診するのもひとつの手段

育児が辛いと感じたら、思い切って病院を受診してみるのもひとつの手段です。

病院を受診する際には、精神科や心療内科のあるところを選びましょう。

病院ではカウンセリングや投薬治療など、その人にあった治療が受けられます。

特に不眠の症状が出ている場合は、薬を処方してもらえると寝つきが良くなり、自然と精神的な症状が改善することもあります。

利用できるサービスを紹介

子育て中のママが利用できるサービスを紹介します。

育児相談に行く

例えば以下のような場所では、育児相談を受け付けていることが多いです。

  • 地域の子育て支援センター
  • ベビー用品店の育児相談窓口
  • 出産した産院
  • 地域の幼稚園や保育園

保育士や助産師、看護師など、専門の資格を持ったスタッフが対応してくれるので、的確なアドバイスをもらえます。

身内に話すよりも、気兼ねなく自分の正直な気持ちを打ち明けられることもあるので、ぜひ利用してみましょう。

しかし子育て政策は地域ごとに異なるため、どこで相談を受け付けているのかについては自分の住んでいる場所の子育て支援課などに確認してみてください。

子育て支援センターや広場に遊びに行く

地域の子育て支援センターや広場には、さまざまな月齢の親子が遊びに来ます。

先輩ママに話を聞いてもらえたり、同じ月齢の子どもを持つママと悩みを共有できることもあるでしょう。

家で子どもと一緒にいてばかりでは息が詰まるので、たまにはこうした場所に出向いてみると良い気分転換になります。

また、ベビーマッサージ教室や絵本の読み聞かせなどさまざまなイベントを実施している地域も多いので、気になるものがあればぜひ参加してみましょう。

子育てサロンや子育てサークルに参加する

住んでいる地域の子育てサロンや、子育てサークルに参加するのもオススメです。

同じような月齢の子どもを持つママに出会えるので、きっと有意義な時間になります。

電話相談をする

子どもを連れて外出することが難しい場合には、電話で相談するのもオススメです。

  • エンゼル110番(森永コミュニケーションズ株式会社)
  • 子育てホットライン ママさん110番(日本保育協会)
  • 市町村の子育て支援センター
  • 日本助産師会の電話相談窓口
  • 子ども医療電話相談 (#8000)
  • 児童相談所全国共通ダイヤル(189)

電話相談ができる窓口はたくさんあるので、ひとりで抱え込まず自分の気持ちを話してみましょう。

自分の気持ちを言語化すると、自然とイライラや不安が落ち着くこともあります。

また、子ども医療電話相談では、夜間子どもが体調を崩してどう対応したら良いのか迷ったときに、電話で相談に乗ってもらえます。

児童相談所全国共通ダイヤルは「虐待の通報」というイメージがあるかもしれませんが、それ以外にも子育ての相談も受け付けています。

一時保育を利用する

毎日子どもと一緒にいるとママも息が詰まるので、たまには子どもを預けてみるのも良いでしょう。

子どもを預けることに抵抗があるママもいるかもしれませんが、毎日頑張りすぎていると子どもと過ごす時間が辛く感じてしまいます。

ママが笑顔で過ごしていると、子どもも自然と笑顔になれるので、ママがリフレッシュする時間も大切です。

一時保育を実施している場所

  • 地域の幼稚園や保育園
  • 地域の子育て支援センターや子育て広場
  • ショッピングモール内の託児所
  • ホテル内の託児所

このように、子どもの一時預かり保育を実施している場所はたくさんあります。

ホテルやショッピングモール内の託児所など、平日だけでなく土日も子どもを預かってもらえる場所もあるので、ぜひ利用してみてください。

ベビーシッターや家事代行サービスを利用する

疲れているときにはベビーシッターや家事代行サービスを利用するのもひとつです。

辛いときは無理をせず、誰かの手を借りましょう。

たまには息抜きを

子どもがいてもできる簡単な息抜き方法を紹介します。

泣きたいときには泣く

泣くことは、一番理にかなったストレス発散方法と言われています。

泣くと感情を一気に吐き出すことができるので、スッキリしますよね。

大人になるとなかなか人前では泣けないかもしれませんが、家にいるときぐらいは我慢せず、泣きたいときに思いっきり泣いてみましょう。

子どもが寝ている間に、泣ける映画やドラマを見るのもオススメです。

深呼吸する

深呼吸をすると副交感神経が優位になるので、リラックス効果にもつながります。

つい感情的になってしまいそうなときには、ひと呼吸置いて深呼吸をしてみましょう。

深呼吸をして自然と気持ちが落ち着かせると、きっと感情的にならずに済みます。

美味しいものを食べる

たまには美味しいものを食べて、ストレス発散をしましょう。

子どもを連れてカフェに行くのはなかなか難しいので、お店のものをテイクアウトをしたり、宅配サービスを利用してみるのも良いですね。

また、美味しいスイーツを買ってきて家でゆっくり食べるのも、お腹も心も満たされて幸せな時間になりますね。

たまには一人の時間をつくる

ずっと子どもと一緒にいると、息が詰まりますよね。

前述した通り一時保育を実施している場所はたくさんあるので、たまには子どもを預けて自分一人の時間を作ってみましょう。

パパや実家の協力が得られる場合は、パパに預けたり実家を頼るのも良いでしょう。

自分ひとりでカフェでまったり過ごしたり、美容院やネイル、マッサージや整体に行くのもおすすめです。

友達とランチに行っていろんな話をするのも楽しい時間になりそうですね。

日記やブログで自分の想いを綴る

自分の考えていることを日記やブログに書き留めておくのもおすすめです。

自分の感情を文字にしてみると、意外と気持ちが整理できることもあります。

また、後に見返したときにあのときはこんなことを考えていたのか、と懐かしい気持ちになれることもあるでしょう。

まとめ

子育ては楽しいことばかりではなく、辛いこともありますよね。

辛いと感じるのはおかしいことではなく、ママが頑張っている証拠です。

子育ては100点満点を目指すのではなく、所々で手を抜いたり、息抜きをすることが大切です。

育児ノイローゼにならないためにも、ひとりで抱え込まず、辛いときには誰かの力を借りましょう。

うまくストレスと付き合い、子どもと笑顔で楽しく過ごせると良いですね。