赤ちゃんの目やにとは?【医師が解説】

今回は赤ちゃんの目やにに関して解説させていただきます。

生まれたばかりのころはお母さんのお腹の中にいるころのホルモンバランスの影響を受けているため身体の様々な分泌が盛んです。

その分目やにの分泌も多いです。また生後3か月をすぎてくると風邪をきやすくもなるものです。

そのため風邪症状の一部として黄色や緑色の目やにが多くなり目を開けにくくしていることもあるわけですが、親としてもみていてかわいそうになりますよね。

そのような目やにに関して具体的にどのような目やにに注意すれば良いかまた目やにに合わせてみられるその他の症状なども含めて解説して参りたいと思います。

目やにとは

そもそも目やにとは医学的には眼脂(がんし)と呼ばれます。

眼球の前側を覆う結膜や角膜から分泌される粘液に細胞からでた老廃物や周囲から入り込んだゴミなどが固まったものです。

そして眼球の結膜には目を潤す涙が常に流れています。

涙はまぶたの奥にある涙腺から分泌されて、目の表面を潤したあと、大部分の涙は目頭にある涙点から吸収され、鼻とつなぐ鼻涙管から鼻の奥へと排泄されていきます。

目やにもこの同じ経路をたどって排出されていきます。この排泄がうまくいかない時や涙の分泌が大量になると目やにが目立つようになってきます。

目やにの上手なとり方

赤ちゃんの目やにをとるにはコツがあります。赤ちゃんはパーツが一つ一つ小さいため誤って傷つけてしまわないかお母さんの不安は尽きないと思われます。

どうやってケアをすれば良いのか理解しておけばあわてずに対処できます。

どうすれば目を傷つけないのか

まず赤ちゃんは手足、顔を非常によく動かします。

そのためケアで大切なことは出来るだけ赤ちゃんを固定し動けなくすること、もちろん優しく固定することです。

ここで有用なのが大判タオルを使用する方法です。大判タオルで赤ちゃんの身体全体を優しく包ようにしてくるみます。

その時に腕を伸ばした状態で一緒にくるむことが大切です。

そして最初に意識することはケアをするのはママが見えている部分のみにしましょう。

完璧に目やにをとろうとしなくても大丈夫です。

逆に過剰なケアで赤ちゃんの目を傷つけてしまうことにもなりかねないため、あくまでも確認できる部位のみの目やにをとることに徹しましょう。

準備が整ったら目やにをとるための具体的な方法です。

お湯につけてよくしぼった清潔なガーゼを右手の親指もしくは人差し指にまいてください。

そしてその他の指でガーゼの余った部分をつかんで固定します。そしてガーゼをまいていない反対側の手で頭部を固定しながらその親指で上まぶたを開くようにします。

そして見える範囲をガーゼで目がしらから外側に向かって優しくふくことで目やにを取り除きます。

ガーゼは左右で替えた方が良いでしょう。

片方の目に炎症があった場合にそれがガーゼを通してうつってしまうことがありますので左右で合計2枚のガーゼを使用することをお勧めします。

目やにの原因

目やにの原因としては結膜上に発生した何らかの炎症、そして涙を流すための流通路が閉塞していることなどが挙げられます。

炎症を起こす原因としてはウイルスや細菌などの感染症によるもの、そしてアレルギーによるものがあります。また流通路の閉塞は先天性鼻涙管閉塞症とよばれる生まれつきの病気があります。

結膜炎

アレルギー性結膜炎

主な症状は目のかゆみと涙です。比較的赤ちゃんのうちは少ないものかもしれませんが3~4歳頃になると増えてきます。

アレルギーが原因となって起こることが多いためひどい場合はアレルギーの原因の除去が必要となります。

ウイルス性結膜炎

白目の充血やまぶたが腫れるなどの症状が認められます。

風邪の症状の一部でもあるため発熱を伴いさらには結膜の炎症が非常に強いアデノウイルスやエンテロウイルスが原因にもなります。

これらは感染力が非常に強いため他の家族へうつさないための予防策が必要です。

そのため眼脂を取り除いてあげた後は入念に手洗いをすることや赤ちゃんに使用するタオルを他の人と別々に分けることが大切です。

細菌性結膜炎

目の痛み、白目の充血の他に黄色っぽい目やにがたくさんでます。

新生児の場合実は出産の時にお母さんの産道を通るところで母体から感染するクラミジアや淋菌が原因のことがあります。

また生後1カ月以降の赤ちゃんはインフルエンザ菌と言われるばい菌が多いとされています。

症状は比較的軽いとされてはいますが治療には抗生物質の点眼が必要となるため眼科への受診が必要です。

さかさまつげ(睫毛内反症)

下まぶたのまつげ特に鼻側の目の角膜や結膜にまつげが触れることで刺激となり、涙や目やにがたくさんでる状態を睫毛内反症と言います。

乳児は鼻の付け根が低く、顔の肉付きも良いため下のまつげが上を向きやすくなり、目の方向に向かってしまいがちになります。

これは成長とともに下まぶたの皮膚が下の方に引っ張られてまつげが上を向くようになるため自然に結膜に触れなくなり解消されてくることが多いです。

それまでは必要に応じて角膜を保護するための点眼や抗菌薬の使用を行います。

刺激が強く常に目をこすっていたり、まぶしかったりする症状が続き、3歳を過ぎても自然治癒しない場合は手術を行うことも稀にあります。

先天性鼻涙管閉塞症

生まれつき涙の通り道である鼻涙管が閉じたままとなっていることで涙や老廃物の排泄がとどこおり、目やにや目から涙が流れ続ける状態となります。

実は生まれたばかりの赤ちゃんの6~20%にみられるとされている頻度の高い病気です。

ただし炎症を起こさなければ無治療でも1歳までには90%が自然に治るとの言われており、目やにを丁寧に取り除いていくケアを続けることで大事には至りません。

ただしまぶたや目がしらにある涙嚢と呼ばれる部位に炎症を起こした状態(涙嚢炎)は治療が必要です。

涙嚢炎の場合は涙道ブジーといって閉塞した涙の通り道を開通させる処置を行う必要があるため眼科への受診が必要です。

注意しなければならない目やに

4ヶ月男の子 母 息子 親子 家族

そもそも目やには誰でもでるもので健康でも赤ちゃんにはみられます。

一般的には色は白~薄い黄色のようなものであれば問題はないでしょう。

しかし中には治療が必要な病気を示唆する目やにもあります。

特に注意しなければならないのは、緑色や濃い黄色のまるで膿が混ざったような目やにが絶えず毎日みられる場合や、目やにの他に白目の充血や発熱などを伴っている場合には身体全体に及ぶ何らかの強い炎症が目に現れていることを示しており、眼科への受診が必要です。

しかしもし先に挙げたような目以外の症状が認められる場合は赤ちゃん全般の診察を担当してくれる小児科への相談するのが良いでしょう。

目の症状自体がその病気の一部である可能性も否定できないため身体のすみずみまで診察をしてもらって総合的に判断をしてもらうことをお勧めします。

まとめ

今回は赤ちゃんの目やにに関して解説させていただきました。

ほとんどの場合は適度なケアで成長とともに自然に改善してなくなってしまうことがほとんどです。

しかし受診に必要なタイプの目やにがあることも事実です。

実は親の勘は非常に鋭いものでわれわれ医療者も診察において一見特に赤ちゃんに異常がないようにみえる時もお母さんがいつもと様子が違うと言った訴えをされる場合には後にそれが驚くほど当たっていると感じることがあります。

もしご自身の勘にピンとくるものや不安、疑問があれば迷わず医師へ相談することをお勧めいたします。