子供に使う座薬とはどんな薬?【薬剤師が解説】

坐薬

座薬を病院で処方されると使い方、使うタイミングなど説明されますが、初めての場合、すべての説明を一度に覚えることは難しいですね。

体調が悪い子供を抱えながら説明を聞くことも一苦労だと思います。

  • 座薬ってなんですか?
  • どうやって使えばいいですか?
  • 入れた座薬が出てきたらどうすればいいですか?

など、初めて使用する場合、疑問がたくさん出てくると思います。

そこで、座薬を使用するにあたっての注意事項などをまとめて紹介したいと思います。

そもそも座薬とはなんでしょうか?

座薬とは、肛門や尿道、膣から挿入して用いる薬です。

笑い話ですが座薬は「座って飲む薬」と思っている方がいるようです。

「座る薬」と書いて座薬ですので、見たことも触ったこともない方には間違えやすいですね。

座薬を挿入すると、体温で薬が溶け、身体の中に吸収されて効果が出ます。

座薬は主に、解熱・鎮痛剤、痔疾患の治療、吐き気止め、けいれん止めなどの効果を持ちます。

子供へ座薬を使用するのはどんな時?

主に、風邪をひいて熱が出た時、嘔吐がひどく食べ物が食べられない時などの風邪症状や消化器症状の改善目的で処方されることが多いです。

まれに高熱により熱性けいれんを起こす子供がいますので、その場合も座薬を使用し、けいれんを抑えます。

熱が出た時に使用するタイミング

一般的に38.5℃以上の熱が出た時に使用することが多いです。

ただし、38.5℃以上でも元気があり食欲がある場合は使用せず様子を見ましょう。

一方38.5℃まで発熱していない場合でも、ぐったりして元気がない時、熱くてだるそうという時は使用してかまいません。

子供の様子を見て使用するようにしましょう。

嘔吐がひどい時に使用するタイミング

医師の特別な指示がない限り、処方されたら、なるべく早く使用しましょう。

大人でも経験があると思いますが、嘔吐はとても辛いですし、体力もかなり消耗してしまいます。

吐き気により水分を十分に摂取できない場合、脱水を起こす可能性があります。

熱性けいれんとは

高熱によりを起きる痙攣のことです。

生後6ヵ月~5歳ぐらいの乳幼児に起こることが多く、一度起こすと半数近くの子供は繰り返す傾向にあります。

通常38℃以上の発熱を起こしてから24時間以内に起こるといわれています。

2,3日経ってから起こる痙攣は熱性けいれんではない可能性があるので、その場合は、すぐに病院を受診しましょう。

熱性けいれんの経過

熱性けいれんは成長に伴い、6歳前後でほぼ起こさなくなる傾向にあります。

6歳以降も繰り返し起こる場合は小児科の医師に相談し、てんかんなど別の疾患が隠れていないか診断を受けてください。

熱性けいれん対処法

ジアゼパム座薬(ダイアップなど)の投与で予防することができ、37.5℃~38℃以上の時に使用します。

熱性けいれんの経験がある子供の場合、発熱で受診すると

  • 解熱剤の座薬(アンヒバなど)
  • けいれん止めの座薬(ダイアップなど)

の2種類を処方されることが多いです。

その場合は最初にけいれん止めの座薬を使用し、30分以上経過した後に解熱剤を使用しましょう。

熱性けいれん既往の子供にけいれん止めの常備薬は必要?

熱性けいれんは解熱剤だけで予防できないですが、半数近くの子供は二度目の熱性けいれんを起こしません。

ほとんどの子供が常備薬として持っておく必要がありませんので、常備する必要があるか医師に相談しましょう。

  • 両親や兄弟に熱性けいれんを経験した方がいる
  • 1回の痙攣時間(15分以上)が長かった

という場合は、常備薬として持っておく必要があると医師に判断される可能性が高いです。

熱性けいれん診療ガイドラインPDF

座薬の使い方は?

  1. ひとつずつ切り離し、座薬を取り出してください。
  2. 仰向けに寝かせて座薬の先端から肛門にゆっくり入れてください。

この時、浅く入れるとすぐに出てきてしまうので、指を離したときに座薬が戻ってこない程度の深さまで入れるようにしましょう。

座薬が出てこなくなるまで指で肛門を抑えると、より確実に入れることができます。

座薬を入れるためのポイント

  1. あらかじめお尻を出しておきましょう。
  2. 座薬を取り出すと指の体温で溶けてしまうことがありますので、出したらなるべく早く使用できるように準備しましょう。
  • カットする場合は座薬の尖ったほうを使用できるようにカッターやハサミで切ります。
  • 座薬の滑りが悪く使用しにくい場合はオリーブオイルやワセリン、水などをつけて滑りをよくしましょう。
  • 二種類の座薬を処方された場合は緊急性の高いほうを先に使用しましょう。

けいれん止めの薬と解熱剤ではけいれん止めの薬を先に、吐き気止めの薬と解熱剤では吐き気止めの薬を先に使用してください。

どちらも30分以上間隔をあけて使用しましょう。

よくある悩み・質問

入れた座薬が出てきました。どうしたらいいですか?

座薬を入れると、入れた時の刺激や違和感によって、便意を感じることがありますので、使用前になるべく排便を済ませるようにしてください。

乳幼児の場合は排便コントロールが難しいので、排便の有無に関係なく使用してください。

座薬の形が残った状態で出てきた場合は、ほとんど吸収されていないので、新しい座薬をもう一度使用しましょう。

ドロドロに溶けた状態で出てきた場合は薬が吸収されているので使用せずに様子を見ましょう。

解熱剤を使用しても熱が下がらないです。どのくらい時間をあければ2回目を使用できますか?

平熱まで完全に下がらなくても少し元気が出てきた時、食欲が出てきた時、寝苦しそうにしていない時などは様子を見てください。

体温が高いほうが、身体の中でウイルスと戦う免疫機能が働きやすくなるので、元気が出てきたら解熱剤は使用せずに様子を見ましょう。

やむを得ず使用する場合でも最低4時間はあけましょう。

通常は6~8時間あけてください。

解熱剤であるアンヒバ座薬の添付文書によると、投与後30分以内に体温の降下が始まり、1~2時間後にピークとなり4時間効果が持続したというデータがあります。

http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1141700J1045_4_02/

家でどのくらい保管できますか?

座薬は体温で溶けるように設計されていますので、冷蔵庫で保管しましょう。

通常6ヵ月ほど保管できます。

ただし、座薬にも使用期限があります。

期限が短いものをもらっている可能性もあるので、薬局で使用期限を確認してください。

内服薬と頓用の座薬の吐き気止めをもらいました。どちらを先に使えばいいですか?

何を食べても飲んでも全て吐いてしまう場合は、まず頓用の座薬を使用しましょう。

食事や水分が取れるくらいに効果が出てきたら内服に切り替えます。

吐き気が収まっている場合、座薬は使用せず内服薬を服用してください。

まとめ

乳幼児は内服薬を嫌がって飲まないことが多いです。

座薬の場合は内服薬に比べるとパパ、ママのタイミングで使用しやすい薬です。

即効性もあり、緊急を要するときは頼りになりますので、是非使い慣れてほしいです。

発熱、嘔吐はその症状を抑えることに注目しがちですが、脱水症状にもなりやすい疾患です。

必ず、こまめな水分補給をするようにしましょう。

乳幼児用の補水液やOS1などを摂ると脱水予防に効果的ですが、それも嫌がるときは好きなジュースでかまいません。

リンゴジュースやブドウジュースなど飲みたがるものを飲ませてあげてください。

ただし、吐き気がある場合、柑橘系は吐き気を助長することがあるので避けましょう。