不妊症と妊娠しやすい体づくり

妊娠しやすい体をつくろう

妊娠するためには体が妊娠できる状態である事が大切です。
特に不妊症の原因が無い人でも普段の生活の中に妊娠しにくくさせる要素はいくつかあり、それらを解消するだけで妊娠しやすくなることもあるので、ぜひ試してみましょう。
なかなか成果が表れなくても、焦らず心にゆとりを持つことが大切です。

体重を標準に近付ける

太り過ぎの人や痩せすぎの人はホルモンのバランスを崩しやすいので妊娠しにくい体になっていることが多く、特に痩せすぎの人は太りすぎの人よりも妊娠しにくい傾向にあります。
また、最近体重が5kg以上変化があった場合も、ホルモンバランスが崩れ、妊娠しにくくなることがあります。
無理なダイエットは妊娠にとても悪影響を与えるので、標準体重の人や痩せの人はダイエットは控えましょう。

太りすぎの人がダイエットする場合は、食事制限だけでなく運動を取り入れ健康的に痩せられるペースで体重を落とすようにしましょう。

もともと痩せている人は基礎体温と生理周期が正常で有れば問題はありません。
ダイエットで痩せた人や極端に痩せすぎている人が体重を増やす場合は、必ずバランスのとれた食事で増やすようにしましょう。
食べて体重を増やすだけでは脂肪ばかり増えてしまうので、運動で筋肉を付けながらバランスよく増やしていくようにしましょう。

無理なダイエットで生理不順や生理が止まってしまっている人は、健康な体に戻すには時間がかかりますが、あきらめず健康に気を付ける生活を続けるようにしましょう。

血行と代謝を良くする

冷え性や血行不良の人はホルモンバランスを崩しやすく、体の様々な働きが悪くなるので卵巣や精巣の働きにも影響してきます。
冷え性を改善して体の循環をよくしてあげると体温も上がり、体の様々な働きが活発になるので卵巣や精巣の働きもよくなります。

冷え性や血行不良を改善させるには、食事に下記の体を温める食材を積極的に取り入れたり、運動で血行をよくしたり筋肉を付けて血液を送るポンプ機能を活発にしましょう。
体を締め付ける衣類は血行が悪くなるので、締め付けない服装を心がけましょう。

体を温める食材:にんにく、ねぎ、にら、にんじん、かぼちゃ、ピーマン、 しし唐、唐辛子、しょうが、みょうが、こしょう、シナモン、牛肉、鶏肉、いわし、さけ、海老、もち米、ココアなど

 

とくにショウガは少量で体を温めることができ、効果もすぐに現れやすいのでおすすめです。

ストレスをためない

ストレスはホルモンバランスに影響します。
ストレスがたまると生理不順になったり、生理が止まってしまうこともあります。
仕事のストレス、夫婦間のストレス、不妊に対してのストレスなどどんなストレスも同じように影響します。
ストレスを感じたり悩みを抱えている人は、できる限り解消するようにしましょう。
夫婦間のストレスはセックスレスつながってしまうこともあるので、パパと会話をしてお互いの気持ちを理解し合うようにしましょう。
いつも深く考えすぎてしまう性格の人は、考え方を前向きにすることも大切です。

バランスの良い食事でビタミンとミネラルをとる

健康な体を作るためにはバランスのとれた食事が大切です。
偏った食事をしているとホルモンバランスが崩れ生理不順になってしまうこともあります。

ビタミンやミネラルもホルモンの分泌に関係しているので、積極的に取るようにしましょう。
不妊症に良いと言われる栄養素だけを積極的に摂取するのではなく、すべての栄養素をバランスよく取ることが大切です。
下記の栄養素は妊娠しやすい体を作るためにおすすめの栄養素や食材です。

ビタミンE

ビタミンEは血行を良くする働きや、ホルモンの生成分泌にかかわりホルモンのバランスを整える働きがあります。

イソフラボン

イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと同じような働きをするので、月経不順やホルモンバランスを整えるのに役立ちます。
イソフラボンは大豆に多く含まれる栄養素です。
豆腐や納豆などの大豆を使った料理を積極的に取り入れましょう。

ニンニク

ニンニクにはホルモンバランスを整える働きがあると言われています。
ニンニクはビタミンB1、B2やミネラルなど様々な栄養素が含まれており、疲労回復や滋養強壮に効果があり、体を健康にするにはとても良い食品です。
食べ過ぎると胃を刺激し過ぎるので気をつけましょう。

亜鉛

亜鉛は生殖能力の維持や精子を作るために必要なミネラルで、女性ホルモンのバランスを整える働きもあります。
イライラやストレスを防ぐ働きもあり、亜鉛が不足するとキレやすくなったり鬱になりやすくなると言われています。

ジャンクフードやインスタント食品は亜鉛不足になりやすいので気をつけましょう。

タバコやアルコールは控える

タバコを吸うと血管が収縮し血行が悪くなります。
また、たばこには体に良くない化学物質が含まれているので、妊娠だけでなく健康にも悪影響です。
アルコールの取り過ぎは精子の数が減り、精子の活動量も低下します。
アルコールを飲むと亜鉛をたくさん消費するので、亜鉛不足になり生殖能力が低下します。
女性もアルコールの取り過ぎは月経不順や無排卵になることがあります。

不妊症の治療について

不妊治療の方法は原因によって違ってきます。子宮内膜症や卵管のトラブルなどが不妊症の原因の場合は、その原因の治療を優先させます。

とくに不妊の原因がない場合や原因が取り除かれた場合などは、一般不妊治療を行います。一般不妊治療にはいくつか段階がありますが、最終段階でも妊娠できない場合は体外受精や顕微授精などの高度不妊治療へと進みます。

精子にトラブルがある場合や左右とも卵管が閉鎖している場合など、自然には妊娠を望めない場合は高度不妊治療からのスタートになることもあります。

不妊治療は長期間に及ぶこともあるので、治療について夫婦でしっかり話し合い「赤ちゃんが欲しい」という気持ちで進めていくことが大切です。

男性は治療を嫌がる事がありますが、不妊の原因を知るためには男性の検査も必要です。

男性の協力が得られないときは不妊についての本を読んでもらったり、医師に説明してもらったりして、不妊について詳しく知ってもらいましょう。

女性は焦りや不安から性行為を排卵日付近にしかしなくなってしまったり、性行為を楽しむことができず機械的になってしまうことがあります。

男性はそのような変化を敏感に感じ取り、不妊治療に非協力的になってしまうこともあるので、お互いに心のケアを忘れないようにしましょう。

一般不妊治療

タイミング療法

タイミング療法は基礎体温表、子宮頚管粘液の量や粘度、超音波検査、血液検査、尿検査などで排卵日を予測し、妊娠しやすい日に性行為をする治療法です。

卵子は排卵後の寿命は個人差がありますが大変短く、6時間~1日と言われています。

精子の寿命は2~3日間と言われており、この両者が生きている合いでに出会わなければなりません。

その為、排卵の直前に性行為をすると妊娠しやすいのです。

排卵は低温期の最終日におこることが多いですが、中には高温期に入ってから排卵する人もいるので、基礎体温表だけで排卵日を特定するのは難しいのです。

病院では的中率を上げるために、超音波検査で卵胞の大きさを測ったり、尿検査や血液検査で黄体形成ホルモンの量を調べたり、いくつかの検査結果を合わせて予測をします。

排卵誘発剤

排卵誘発剤は排卵に障害がある場合や卵が十分に育たない場合などに使用します。

排卵誘発剤には視床下部や下垂体に卵胞刺激ホルモンの分泌を促す働きをする間接系排卵誘発剤(クロミッド、シクロフェニルなど)と、卵巣や卵胞を刺激して排卵を促す直接系排卵誘発剤(hMG、hCGなど)があります。

症状や体質によって種類や量を使い分けます。はじめは副作用の少ない間接系排卵誘発剤を使用し、効果がない場合は直接系排卵誘発剤を使用するパターンが多いです。

排卵誘発剤によっては副作用が起こることもあるので、医師が一人一人に合わせた種類や量で治療を行います。

人工授精

人工授精は子宮頚管粘液不全や精子抗体があるなどの女性側の原因や、精子の数が少ないまたは精子の運動率が悪い、性機能障害があるなどの男性側の原因で行われます。

不妊の原因が不明の場合も行われることがあります。
排卵日を予測して採取した精子を子宮内に注入します。

精子は洗浄し元気な精子を濃縮して注入します。

人工授精には配偶者の精子を使用するAIHと配偶者以外の精子を使用するAIDがあります。

AIDは重度の無精子症や重度の遺伝性疾患がある場合に行われ事があります。

高度不妊治療

体外受精、顕微授精

体外受精、顕微授精は卵管が両方詰まっている場合や抗精子抗体がある場合など、一般不妊治療では妊娠を望めない場合に行われます。

卵子と精子を採取し体外で受精させ、培養液の中で細胞が4~8つに分裂した頃に子宮内に戻します。
体外受精は採取した卵子に洗浄・濃縮した精子を合わせ受精卵を作りますが、顕微授精は顕微鏡を使い1つの卵子の中に1つの精子を注入し受精卵を作ります。
顕微授精は重度の男性不妊などの場合に行われます。

受精卵が残った場合や子宮の状態が悪くすぐに子宮内に戻せない場合などは、受精卵を凍結し保存して次の機会に移植する方法もあります。

不妊の原因について(女性)

こちらでは不妊の原因についてそれぞれ詳しく紹介しています。

不妊の原因はいくつかあり、一つの原因で不妊になってしまう場合もあれば、いくつかの原因が重なり不妊になっていることもあります。
不妊を直すためには原因を知ることがまず第一歩です。

 

病院での検査はエコー検査や内診検査があるので、怖くてなかなか一歩が踏み出せないこともあります。

迷っていると万が一病気だった場合、病気が進んでしまったり、年齢を重ねると段々とリスクが増えたりと、余計に心配事が増えてしまうので、頑張って病院へ行ってみましょう。

 

病院へは母親や友達、旦那さんなど安心できる人に付き添ってもらうのもいいと思います。

不妊だけでなく普段の生理の様子やお腹の様子、おりもの等で気になるところがあるときは少しでも早く病院へ行くことをお勧めします。

年齢

女性は年齢とともに卵巣の働きが悪くなるために、30歳を過ぎると毎年3.5%ずつ妊娠する能力が低下していきます。

40歳近くになると流産する確率も高くなります。

年齢とともに卵巣の機能が衰えていき、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気に罹りやすくなるので、妊娠を考えている人は早めに妊娠計画を立てた方がよいでしょう。

不妊かなと思ったら1日でも早く治療するようにしましょう。

排卵障害

排卵障害とはホルモンのバランスが悪く卵が育たず排卵できない、卵が育っていても排卵できないなどの状態です。

排卵障害の原因は主に卵巣機能の低下、ホルモン分泌の異常、未成熟の卵ばかりで大きく育たない多のう胞性卵巣、卵が育っているのに卵胞が破れず排卵できない黄体化未破裂、母乳を出すホルモンの分泌が多く無排卵になる高プロラクチン血症などです。

基礎体温を測り2相性であるかのチェックや、エコーで排卵のチェック、ホルモンの検査などを行います。

子宮内膜症

子宮内膜は月経周期に合わせて増殖し、その後剥がれて出血します。子宮内膜症とは子宮内膜と同じ組織が卵巣や卵管などで増殖し、月経周期に合わせて増殖と剥離を繰り返し、次第に大きくなる病気です。

増殖した場所によって症状が異なりますが、出血した血液が体外に排出されないので、やがて臓器の癒着が起こります。

子宮の後ろ側や筋層、卵巣、腹膜などに発生しやすく、排卵障害や着床障害を起こすことがあります。

卵管障害

通常は排卵した卵を卵管采(卵管の先端部分)がキャッチし、卵管采まで到達した精子と出会い受精卵になり卵管を通って子宮に向かいます。

卵管障害の場合は、卵管采が子宮内膜症やクラミジア感染症などで癒着を起こし、卵をキャッチできなかったり、卵管に詰まりや狭い部分があると精子が通れなかったりするので受精卵が通れません。

着床障害

受精卵は子宮内膜に着床し妊娠となりますが、子宮に病気や奇形、ホルモン異常があると着床が難しくなり妊娠が成立しにくくなることを着床障害といいます。

着床障害の原因となる病気には、子宮の筋層にできる子宮筋腫、子宮内膜が子宮の筋層に増殖した子宮腺筋症、子宮内膜がキノコ状に増殖した子宮内膜ポリープ、子宮内膜が癒着している子宮内膜癒着などがあります。

病気は症状によっては妊娠が可能な場合もあります。

ホルモン異常の場合は黄体ホルモンや卵胞ホルモンが不足していると子宮内膜が十分に厚くならず着床しにくくなります。

子宮頚管通過障害

排卵が近くなると子宮頚管の粘液が増え精子が通過しやすい状態になります。

子宮頚管通過障害の場合はホルモン不足や子宮頚管炎などで粘液の量が不足していると、精子が通過しにくくなります。

女性が抗精子抗体という抗体を持っていると、体内に入ってきた精子の動きを止めてしまうので、精子が子宮頚管を通過し辛くなってしまいます。

クラミジア感染症

クラミジア感染症は主に性行為で感染する病気で、炎症を起こしながら膣から子宮、腹膜へと進行していきます。

炎症により内臓が癒着してしまったり、卵管が詰まりってしまうことがあります。また、子宮外妊娠を起こす原因にもなります。

自覚症状がほとんどないので、知らないうちに進行していることがあり、とても恐い病気です。

不妊症の検査について

検査を初めて受ける時は様々な情報が必要となります。

病院を受診する前に基礎体温表や初潮の年齢、避妊の期間、避妊をしていない期間などを前もってメモしておくとスムーズに診察が進みます。

下記には避妊治療をする前に行われる主な検査を紹介しています。すべての検査を行うわけではありません。

問診

問診は体重や身長など体や生活の情報、これまでの病歴、月経の状態、中絶の回数、現在の夫婦間の性行為の情報など様々な事を問診票に書いたり、医師に聞かれます。

適切な治療を受けるために、恥ずかしがらず正確な情報を話すようにしましょう。

不妊治療では医師と信頼関係を築くことが大切です。

医師に不信感を抱いたり、治療方針が合わなかったときは、担当の医師を変えてもらうか病院を変えることも考えましょう。

尿検査、血圧

尿検査では尿たんぱくや尿糖が出ていないか検査など尿に現れる異常について調べます。

尿に異常があった場合はその原因となっている病気を優先して治療する場合もあります。

血圧を測定し異常がないかチェックします。

内診

内診台に上がり膣や子宮、卵巣に異常がないかチェックします。

膣鏡を使って膣に傷や炎症がないか、触診で子宮や卵巣に異常がないか、エコーで子宮の状態や卵巣の状態などをチェックします。

これらで病気がないか奇形がないかなどを調べます。

初めての内診は恥ずかしいかもしれませんが、リラックスして受けるようにしましょう。

内診の時にクラミジアや抗原検査、子宮頸がんなどをチェックするためにおりものや細胞を採取することもあります。

子宮頸管粘膜検査

子宮頸管の粘液の状態をチェックします。

排卵期の粘液はは精子が動きやすいように量が増え透明で粘りのある状態になるので、排卵日付近に検査を行うことが多いです。

子宮頸部細胞診

子宮頸部の細胞を擦り取って、子宮頸がんがないかチェックします。

綿棒やブラシで子宮頚管の細胞をこすりとるのですが、細胞の採取は一瞬で終わるのでほとんどの場合痛みはありません。

検査結果は1週間前後にでます。

クラミジア抗原、抗体検査

綿棒でおりものを採取し検査します。

クラミジア感染症は不妊の原因でもあるので、陽性と出た場合はクラミジアによる影響がないかを検査します。

カンジダ膣炎や膣トリコモナス症など性感染症の検査をすることもあります。

超音波検査(エコー)

ほとんどの場合内診の時に膣に超音波の器具を入れて検査する経膣超音波をします。

子宮や卵巣の状態や子宮筋腫や子宮内膜症などがないかなどもチェックします。

卵胞の状態もチェックできるので、育ち具合や排卵日の予測、排卵の有無を調べることができるので、不妊の治療にか欠かせないとても大切な検査です。

ホルモン検査

ホルモンは月経周期に合わせて変化します。

そのホルモンの変化に合わせて卵胞が育ち子宮内膜が増殖し排卵します。

ホルモン検査では月経周期に合ったホルモンがしっかり分泌されているかを確認するために、低温期、排卵期、高温期に採血をしてホルモンの状態をチェックします。

子宮卵管造影検査

子宮口から造影剤を注入器で入れ、X線の撮影を当日と翌日の2回します。

確実に妊娠をしていない月経後から排卵前に行います。

この検査では子宮の奇形や子宮筋腫などの病気、卵管の詰まりなどのチェックができます。

軽度の詰まりの場合はこの検査後に卵管の詰まりが改善することがあり、検査後に妊娠することがあります。

フーナーテスト(ヒューナーテスト)

性行為後の精子の状態を検査します。

検査の12時間以内に性行為をし、膣内粘液や子宮頚管粘液、子宮内液などを採取し精子が動いているかチェックします。

精子が動いていない場合は、子宮頚管粘液が少ない、子宮頸管の炎症、精子抗体などが考えられます。

精子の数に問題がある場合は男性の精液を検査する必要があります。

必要に応じて行われる検査

抗精子抗体検査

抗精子抗体の有無を調べます。

女性の血液を採取し血清と健康な精子を合わせて精子の様子をチェックします。

精子の動きが悪くなる場合はその程度をチェックします。

腹腔鏡検査

原因不明の場合や子宮の外にできる子宮内膜症、卵巣や卵管の癒着、卵管采が卵胞を取りこめないピックアップ障害など詳しく調べたり治療を行います。

お腹に小さな穴をあけて内視鏡を入れて、医師がモニターで確認しながら行います。

子宮鏡検査

小型の内視鏡を使い、子宮の中を調べる検査です。

子宮ポリープや子宮筋腫などの病気や子宮奇形などをチェックします。

その他

抗精子抗体検査、甲状腺機能検査、染色体検査、MRI検査など