母乳育児を目指している方、母乳育児のメリット・デメリット

0ヶ月男の子授乳

出産後、多くの母親が悩むことのひとつに授乳問題があります。
それぞれの出産までには「私は母乳にしたい」「私は混合がいい」など考えている方が多いと思います。

母乳?ミルク?混合?などよく話題になりますが、授乳方法に正解はなく、人それぞれです。

母乳育児推奨の病院も多いですが、ミルクが悪いわけではありません。

それぞれの状況や環境にあわせて選んでいけば良いものだと思います。

今回は、元小児科の看護師で3児の母でもある筆者が母乳育児について解説します。

母乳育児とは

母乳育児とは、授乳方法のひとつが母乳であることです。
そのため、混合も含みます。

全て母乳であることを完全母乳と言いますが、ミルクと母乳の混合授乳でも母乳も少しでも飲んでいれば母乳育児です。

WHO(世界保健機構)でも、母乳育児については定義されています。

母乳はいつから出るか

母乳のでる時期は人それぞれですが、多くの場合は産後2,3日~5日ぐらいです。

人によっては、出産前から出ている方もいますし、1カ月健診を終える頃にようやく母乳が増えてきた、という方もいます。

特に出産後なかなか出ない場合は、心配しがちですが、個人差が大きいので、助産師さんなど専門家の方にも相談しながら、足りない分はミルクで補いながらリラックスして過ごす方が体には良いです。

また、経産婦の方が母乳は出やすいという考えもありますが、一人目と二人目以降では、産後の状況は大きく違いますし、自分も年をとります。

経産婦なのに…と心配し過ぎず、一回一回異なるものと考えた方が良いでしょう。

母乳のメリット

母乳育児には、おおまかに分けて以下のようなメリットがあります。

赤ちゃん側のメリット

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免疫がつき病気に強くなる

母親の母乳(特に初乳)には免疫グロブリンという免疫物質が含まれていて、赤ちゃんを肺炎や髄膜炎などの怖い感染症から守りやすくなります。

SIDS(乳幼児突然死症候群)の確率を下げられる

元気だった赤ちゃんが原因不明で睡眠中に突然死してしまうSIDSという怖い病気がありますが、SIDSの発生率を下げる要因のひとつが母乳育児です(たくさんある要因のひとつです)

欲しい時にすぐ飲める

作る手間もないので、欲しがって泣くと、すぐ飲めることが多いといメリットもあります。

母親と密着し安心感を得られる

母乳の場合、母親と肌が密着することによりスキンシップがとれ安心感が得られます。

また「知能が高くなる」などのメリットも聞いたことがあるかと思いますが、衛生状態や代替え栄養(粉ミルクなど)の地域差も大きく、研究段階のこともあり、母乳のメリットについてはまだ解明されていないことも多くあるとも言えます。

ママ側のメリット

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産後の回復が早い

母乳を与えることにより、子宮が収縮し、回復させるプロラクチンというホルモンがでるため、産後の回復が早くなります。

ミルクを作る手間がなく楽

授乳の度にミルクを作る手間もなく、特に夜間授乳の時は母親の負担は減ります。

また、赤ちゃんを連れての外出の際にもミルク、哺乳瓶、お湯…など授乳関連の荷物が減り少し身軽になります。

将来的な乳癌を予防する

母乳の授乳経験がある人ほど、将来的な乳癌の確率が減ると言われています。

参考: 妊娠・出産,授乳および月経歴と乳がんのリスクについて教えてください。 | ガイドライン | 患者さんのための乳癌診療ガイドライン 一般社団法人日本乳癌学会

産後ダイエットともなる

母乳でカロリーを消費するので、痩せやすくなり、妊娠中に増えた体重を戻したい、という方にはダイエットにもなります。

母乳のデメリット

それでは、デメリットはどうでしょうか。

赤ちゃんのデメリット

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ビタミンKが不足しがち

素晴らしい栄養と言われている母乳でも、ビタミンKは不足しています。

不足したままだと頭蓋内出血などの原因となるビタミンK欠乏症になることもあり、現在では、産後入院中と一カ月健診などでビタミンKのシロップをのむことにより予防しています。

母乳不足だと体重が増えない

母乳の場合、どれだけ飲んだかわからないので、母乳不足が続いた場合、ミルクなどで栄養を補わないと、赤ちゃんの体重が増えなくなることもあります。

まれに母子感染のリスクがある

現在は、妊娠中に母親への検査が徹底されているため、ほとんどなくなりましたが、母親の持っている病気によっては母乳へウイルスが移行し、母乳をのむことにより、赤ちゃんが肝炎などに感染することがあります。

ママ側のデメリット

自分以外に預けにくい

母乳をあげられるのは母親だけです。

そのため、特に完全母乳だと、赤ちゃんが母乳の代わりミルクを飲めないことも多く、特に低月齢のうちは赤ちゃんを預けての長時間の外出は難しくなります。

乳房のケアが大変

乳腺がつまり乳腺炎で高熱が出てしまった、乳首が切れて出血し授乳の際に激痛がある、など乳房のトラブルは意外と多いです。

常日頃から、乳腺炎を予防する食生活をしたり、乳首のケアをしたり…とミルクを作る以上に手間がかかることもあります。

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自分の食生活にも気を配る必要がある

自分の食事が、母乳となり赤ちゃんの食事になるので、忙しくてもしっかり食べる必要があります。

アルコールなどは母乳にも移行するので、飲酒後しばらくは搾乳し赤ちゃんに授乳できなくなります。

また、母親の体調不良の際にも、母乳の場合は飲める薬に制限があるので、何かと大変です。

また、上記の乳房のケアと重複してしまいますが、脂肪分の多い食事は、乳房の詰まりの原因となりうるので、食事内容にも気を付ける必要があります。

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消化が良いので、授乳間隔が短いと大変

母乳は消化が良く、赤ちゃんもすぐお腹が空くので、頻回授乳となりやすいです。

もちろん、個人差が大きいですが、夜間の授乳回数もミルクと比べると多くなりやすく、母親の負担となります。

完全母乳への移行方法

今は混合だけど、完全母乳を目指したい!と思っているママはどうしたら良いでしょうか。

とにかく頻回授乳

とにかく基本は頻回授乳です。

赤ちゃんに乳首を吸ってもらうことが刺激となり、プロラクチンとオキシトシンという母乳の分泌を促すホルモンがでて母乳が増えます。

夜間授乳は大変ですが、出来るだけ時間を空けないことが大切なので、出来る範囲で夜間授乳を頑張りましょう。

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赤ちゃんはうまく吸えているか確認

母乳だけで足りない場合、母乳は出ていても、赤ちゃんがうまく吸えていない可能性もあります。

母乳を飲む際、赤ちゃんは体力を使い疲れるものです。

有効な吸い方が出来るよう、授乳時の口の様子や体制など、上手に出来ているか定期的に助産師さんなどプロの方に相談すると安心です。

母乳が出やすい食生活をする

根菜類は母乳が出やすくなる食べ物と言われています。

母親が十分な水分をとらないと母乳はでません。

また、体の冷え、ストレスなどでも、血流が悪くなり母乳が減ってしまいます。

お風呂で体をよく温めるなどし、リラックスすることも心掛けましょう。

余裕があればマッサージに通ってみる

完全母乳にマッサージが絶対に必要なわけではありません。

しかし、母乳の分泌量が増えれば詰まりなどのトラブルも起きやすくなります。

マッサージしてもらうことにより、母乳が出やすくなることも多いですし、何より専門家に相談できて安心だと思います。

母乳にこだわりすぎない

上記の通り、頻回授乳、夜間授乳が基本なので、完全母乳での移行は母親の負担が増えます。

出来ることを全て実践したところで、個人差はあるので必ず出るというものではありません。

母親が元気に笑顔でいることが赤ちゃんにとっても家族にとっても一番、大切です。

ストレスが増え過ぎたら、母乳も減ってしまいます。

一人ひとり性格も環境も違うので、頑張りすぎず、ミルクを足し、休憩しながらやってみることが大切だと思います。

ミルクへの移行方法

反対にミルクへ移行したいという方はどうしたら良いでしょうか。

共働き世帯も増え、保育園へ預けるためなどにミルクを導入する家庭は増えていると思います。

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哺乳瓶に慣れさせる

個人差も大きく月齢にもよりますが、母乳を飲んできた赤ちゃんは哺乳瓶を嫌がることが多く、その場合、哺乳瓶に慣れることから始めると良いでしょう。

オモチャのように哺乳瓶に触れさせたり、口にいれさせたりすると感触に慣れることが出来ます。

哺乳瓶になれたら少しずつミルクを飲ませ増やしていく

哺乳瓶に慣れたら、ミルクの味に慣れるために少しずつミルクを哺乳瓶で飲ませてみましょう。

今までミルクを飲んだことのない赤ちゃんの場合は体質に合わないことも考えられますので、少しずつ始めましょう。

また、ミルクの味に慣れるという意味では、哺乳瓶に限らず、可能ならスプーンやストロー、コップなどでも良いと思います。

月齢が高ければ、コップやストローなども視野にいれる

また、哺乳瓶が拒否された場合でも、上記のようなストローやコップなどではどうでしょうか。

ミルクに移行する理由にもよりますが、離乳食と併用するぐらいの月齢になっていれば、思い切って哺乳瓶をやめてみるのもありです。

授乳間隔に大きな変化がある場合、搾乳をする

休日にたまに預けるためのミルクの練習…という場合は、搾乳は必要ないことが多いですが、仕事復帰で昼間のみ急に母乳からミルクになる、または完全に断乳する場合は、乳房へのケアも必要です。

赤ちゃんが吸わなくなれば、自然に母乳は出なくなってきますが、急に母乳は止まらないので、最初は飲まずに溜まった母乳を乳腺炎予防するためにも搾乳しましょう。

それを繰り返すうちに、母乳は減り、搾乳は必要なくなります。

母乳育児の悩み

母乳育児中のよくあるママの悩みはどのようなものがあるのでしょうか。

基本的には、母乳育児のデメリットの面が悩みだと思いますが、どのように感じているのでしょうか。

赤ちゃんを預けられない

完全母乳だとある程度、離乳食が進むまでは赤ちゃんを長時間預けることが出来ず、特に二人目以降は上の子の行事なども重なると大変だという話はよく聞きます。

この状態が数カ月~一年ぐらい続くので、母親はストレスがたまりやすくなります。

薬が飲めない

病気になっても授乳中は飲めない薬もあり、ママの体調管理も大変です。

妊娠中から考えると二年近く、薬を思うようにのめないことになります。

食事の管理が大変

揚げ物や甘いものを食べたい!と思っても、おっぱいの詰まりが心配、となり、たまにはお酒を飲みたい!と思っても、母乳に移行してしまうので、制限があります。

乳房のケアが大変

詰まらないように食生活を工夫したり、乳首のケアをしたり…と毎日のことなので大変です。

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まとめ

  • 少しでも母乳を飲んでいたら混合でも母乳育児である。
  • 母乳は産後2日~5日ででることが多いが個人差が大きい。
  • 母乳育児は赤ちゃん側と母親側にメリットとデメリットがある。
  • 赤ちゃんを預けにくい、母親の食生活や乳房の管理など、母乳育児特有の悩みもある。
  • 完全母乳へ移行する時も、完全母乳からミルクへ移行する時も、赤ちゃんと母親の無理のないよう進めることが大切である。
  • 母乳にこだわりすぎず、母親がリラックスして、個々の状況にあわせた授乳方法を選ぶと良い。