子供の歯磨きのポイントや習慣にする方法【歯科医が解説】

1歳男の子 歯磨き 歯ブラシ

ヒトは、生まれてから6ヶ月くらいすると歯が生えてきます。最初に生えてくる歯は、下の前歯であることが大半です。そして続いて上の前歯が生えてきます。

1歳半頃には16本になり、3歳頃になれば20本生え揃って、すべての乳歯が生え終わります。

歯は一度に生えてこず、このように何年もかけて生えてきます。では、歯みがきは何歳頃から始めればいいのでしょうか。それは、歯が生えてきたときから、すなわち6ヶ月ごろからです。

しかし、子供は歯磨きを嫌がることがあります。嫌がる時、どうすればいいのでしょうか。何かいいグッズはないのでしょうか。

子供の歯みがきについて、詳しく解説します。

子供の歯磨き

 

大人の歯磨きとの違い

毎食後歯を磨かなければならないという点では、大人も子どもも同じで変わることはありません。

しかし、子供は自分では上手に歯磨きができません。磨き残しがどうしても生じてしまいます。ですので、大人とは異なり、仕上げ磨きが必要となります。

たとえ、子供が自分で磨けたと言っても、必ず磨けているかどうかを親御さん自身がチェックし、仕上げ磨きをするようにしてください。

歯磨きを嫌がる理由は

嫌がり時期

子供には、なにをしても嫌がって協力してくれない嫌がり時期があります。もしかしたら、歯磨きを嫌がるのも、その時期になっているからかもしれません。

嫌がり時期に入っている場合は、成長してその時期が過ぎるのを待つのがいちばんです。

口を開けるのが嫌

お口を大きく開けると、飲み込めないので唾液がたまってきます。

仕上げみがきのとき、子供の顔を天井を向いた姿勢にすると、奥の歯までよく見えてしやすくなるのですが、唾液がのどの方にたまってくるので苦痛に感じるようになります。

仕上げみがきを一度で終わらせようとせず、途中でお口にたまった唾液を出させるようにするといいですよ。

歯ブラシを入れるのが嫌

歯ブラシは異物です。大人は、歯ブラシを使って歯を磨くことに抵抗がなくても、子どもにとってはそうではないこともあります。

そんなときは、まず歯ブラシの異物感に慣れるようにさせましょう。

キャラクターのイラスト付き歯ブラシを使ってみるのも、慣れさせるための1つの方法です。

子供の好きなキャラクターのイラストのついた歯ブラシを与えて、自分で歯を磨かせてみたりするのもいいですね。

嫌な思い出がある

押さえつけて無理矢理歯を磨かれた、奥歯を磨いていた時えずいて吐きそうになった、歯磨き粉の味に耐えられなかった、など嫌な思い出があったときにも、歯磨きが嫌いになってしまうことがあります。

歯磨きのときは、なるべく嫌な思いをさせないようにしてください。

他にしたいことがある

親は食べた後はまず手洗いと歯磨きをさせようと思っても、子供は他に興味がうつれば、歯磨きをそっちのけにしてしまいます。

食後の歯磨きの大切さを説明して、他にしたいことがあっても先にまず歯磨きをしてからということを理解させるようにしましょう。

姿勢

仕上げみがきのとき、たいてい子供の頭を親御さんの太ももの上にのせて、上からのぞきこむような姿勢で歯を磨きます。

子供の立場に立ってみると、上からのぞかれるわけですから、あまりいい気持ちがしません。そんなとき、親御さんが真剣な顔つきで磨いていると、子供は余計に緊張してしまいます。

子供の緊張を解きほぐすためにも、なるべく笑顔で優しく仕上げみがきをしてあげるようにしてください。

歯磨きのやりかた

では、実際の歯磨きの方法について解説しましょう。

歯ブラシの当て方

歯ブラシの毛先は、毛先が広がらない程度の力で、歯に直角に当てましょう。特に、歯と歯ぐきの境辺りは、歯ブラシの毛先を意識して当てるようにしてください。

歯磨きをするときは、少しずつ小刻みな動かし方にし、決して何本もまとめて磨こうとせず、1〜2本ずつくらいにするようにしてください。

歯磨き剤の使い方

子供の歯磨きでも歯磨き剤を使う方がより効果的にむし歯を予防できます。子供の歯磨き剤は、年齢によって使い方が異なります。

よくわからないときは、歯科医院で相談なさるといいでしょう。

乳幼児期(おおむね5歳まで)

乳幼児期の子供の場合は、うがいが難しいこともあり、毎食後の歯磨きの時に泡タイプの歯磨き剤を使うことをおすすめします。

泡タイプですと、きめ細かい泡がお口の中全体に浸透してくれる上に、うがいが簡単ですから使いやすいです。

しかも、泡タイプは研磨剤も少ないので、歯や歯ぐきにもやさしいですから、赤ちゃんに最適です。

うがいもしっかりできるようになってくれば、ジェルタイプの歯磨き剤にしてもらっても大丈夫です。

学齢期

学齢期になりますと、むし歯のリスクによって使い方が変わってきます。むし歯のリスクは、3段階にわけられます。

低リスク児:歯磨きもしっかりできており、1年間新しくむし歯が発生していない子どもになります。

このような子供では、毎食後の歯磨きの時にフッ素濃度950ppmの歯磨き剤を使うことをおすすめします。

中リスク児:歯磨きは比較的良くできているけれども、1年の間に1カ所だけむし歯が生じた子供が対象です。

中リスクの子供の場合は、毎食後の歯磨きの時にフッ素濃度950ppmの歯磨き剤を使って磨くことに加えて、寝る前にフッ素濃度950ppmのジェルで歯をコーティングしておくといいでしょう。

高リスク児:歯磨きができていない上に、1年間に2カ所以上にむし歯が生じた子供が当てはまります。

高リスクの子供では、毎食後の歯磨きの時にフッ素濃度950ppmの歯磨き剤を使って磨くことはもちろんですが、寝る前にフッ素の洗口剤を使ってうがいをしてから、就寝することをおすすめします。

もちろん、低リスクでも寝る前にフッ素の洗口剤やジェルを使ってむし歯予防を図ってもらっても大丈夫です。

気をつけておきたい箇所

特にむし歯が生じやすい所が、上下顎左右の奥歯、上の前歯です。この場所に注意して磨くようにしてください。

上手に使う歯磨きグッズ

歯磨きを上手にするためのグッズについて、ご紹介します。歯科医院などで取り扱っていますよ。

歯ブラシ

歯ブラシは、子供が自分で磨く時用の歯ブラシと親御さんが仕上げみがきで使う歯ブラシをわけて選びましょう。

歯科医院では、子供用と仕上げ用で2種類の歯ブラシが発売されています。

一例を挙げてみますと、ライオン製の『デントEX 子ども用歯ブラシ Kodomo 14M』と『DENT.EXこども 14S 仕上げ磨き用』です。

これらは、毛先の大きさや硬さはどちらも同じなのですが、柄の長さに違いがあります。

子供用の方が短く、仕上げみがき用の方が長くなっています。子供、大人それぞれ、手のサイズが違いますから、持ちやすい形状にすると柄の長さに違いが出てくるのです。

歯間ブラシ

歯と歯の間に挟まった食べものを取り除くのに便利です。

特に、乳歯の歯並びは、隙間が多いので唐揚げのお肉など、いろいろ挟まってしまいます。歯ブラシでもとれないことはないのですが、歯間ブラシを使った方がより効率的に早く取り除けます。

歯間ブラシは、大人のものを使ってもいいのですが、子供が自分で使える子供用の歯間ブラシ『子供用フロスちゃん』も発売されています。

ミラー

上の前歯の裏側など、見えにくい所の磨き残しがないかをチェックするのには、歯医者さんが使っているようなミラーがあると便利です。

しかし、なかなかそんなミラーは売っていません。

しかし、子供用の仕上げ確認用として、販売されているものがあります。

『メディちゃんツインミラー アソート色』はそのひとつです。デザインもかわいいうえに、曇り止め加工もしてあるので、使いやすいです。

子供が楽しくなる歯磨きのためのツール

歯磨き絵本

歯磨き絵本やむし歯の絵本を読んであげるのも、歯磨きを楽しくさせる方法の1つです。

たいていの歯磨き絵本には、歯磨きをしないと歯がどうなるかということや、歯磨きの大切さも子供にもわかりやすいようにイラスト入りで書いてあります。

スマートフォンやタブレットPCを見せるのに抵抗がある親御さんでも、歯磨き絵本なら大丈夫でしょうし、子供が自分から絵本を開いてみるようになれば、絵本を読む習慣を獲得するとともに歯磨きにも関心が高まるので一石二鳥ですね。

歯磨き動画

YouTubeなどの動画サイトにアップロードしてある歯磨き動画を活用してみるのもおすすめです。

歯磨き動画は、無言でひたすら歯みがきをしているようなものはほとんどなく、多くの動画ではバックグラウンドに楽しい音楽を流し、楽しく歯を磨いているものです。

歯磨き動画を利用して、子どもの興味を引き、自分から歯を磨くように動機付けできるといいですね。

歯磨きアプリ

スマートフォンやタブレットPCが普及してきましたが、それに対応するアプリもたくさんリリースされています。中には、動物のキャラクターを使った歯磨き練習のアプリなんてのもあります。

そんなアプリを活用するのもいいでしょう。

歯医者さんでできる歯磨きの指導のメリット

歯科医院では、むし歯治療だけでなく、むし歯にならないよう歯磨きの仕方も指導してもらえます。

子供の場合は、新しい歯が生えて、子供の歯が抜けていくという特徴があります。顎の骨も成長とともに大きくなっています。つまり、歯の位置や並びが常に変わっているわけです。

歯磨きの仕方は、歯の生え方や並び方によって、最適な方法が違ってきますし、同じ子供でも、時期が異なれば、最適な方法も異なります。

歯科医院でそれぞれの子供に適した方法を指導してもらうことで、より効果的に歯を磨くことが出来るようになります。

歯医者さんの選び方

大切なわが子の歯医者さん選び、迷いますよね。

迷った場合は、まず看板をみてみてください。小児歯科クリニックと銘打ってあれば、子供の専門歯科医院ですので、まず心配ありません。

近所に、小児歯科クリニックがないときは、普通の歯科医院から選ばなければなりません。

たとえば、××歯科クリニックという医院名に続いて、標榜科が書いてある歯科医院があります。そこに”小児歯科”とあるところを探すのもいいですね。

もちろん、小児歯科と標榜していないと子供を診てくれないというわけではありません。

よくわからないときは、電話で一度問い合わせてみてください。

歯磨きを通じてコミュニケーションをとる

1歳 歯磨き

頑張ったらほめてあげましょう

歯磨きを最後まで頑張ったら、しっかりほめてあげてほしいのですが、それまでの段階でも、たとえば、自分から歯磨きをしようと言った、お口をしっかり開けることが出来たなど、おりをみてほめてあげてください。

大人にとってはごく普通なことでも、子供の立場でみてみれば、嫌なことをとても頑張っているわけです。

ほめてもらえれば、次も頑張ろうという気持ちになれますから、是非お願いします。

終わった後は抱きしめてあげてください

言葉でほめるのもいいのですが、ぎゅっと抱きしめるのも、スキンシップを図れるのでほめる以上に効果的です。

歯磨きを頑張った後は、しっかり抱きしめて頭をなでなでしてあげてください。

まとめ

子供でも歯が生えてきたら歯磨きが必要です。

初めの頃は、歯磨きをとても嫌がりますが、嫌がるからといって歯磨きをおろそかにすることは決して勧められることではありません。

歯磨きグッズや絵本、アプリなどを使って、歯磨きに関心を持たせ、そして抵抗感を少なくし、仕上げ磨きを頑張ったら、しっかりほめてあげましょう。

こうして食事の後は歯磨きをする習慣を身につけさせるようにして、むし歯を予防していくようにしましょう。